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フェイク  作者: ひなの.com
54/67

憂い、変動。

勇太は夜も眠れなかった。


[彼女を見捨てたお前に言う必要ねーだろ⋯]


この言葉が何度も頭の中で繰り返(リピート)された。


すると突然、


「なぁ、勇太。起きてるか?」


圭介が口を開いた。


圭「あんなに自信満々だったのにどうしたんだよ。」


勇「俺⋯ダメだな」


圭介が勇太のほうを見ると、勇太の瞳から涙が零れていた。


圭「田中(アイツ)もそれぐらい苦労したんだよ。

  なんだかんだいって、田中(アイツ)も大事なことは

  表に出さねぇからな。とくに、お前のことになると。」


勇「恥ずかしいんだろ⋯」


圭「ちげーよ。お前に心配かけたくないだけだろ。

  それに比べて⋯ お前はかけてばっかだろ。」


勇「そう⋯だな。」


圭「お前、明日、ちゃんと自分の気持ち伝えろよ。」


勇「うん。」


すると、勇太は安心したのか、


寝息を立てていた。


圭「うまくやれよ⋯」



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



2日目:午後6時 .▼

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


全クラスの生徒がレクレーションホールに集まった。


吹き抜けになっていて、声がよく通る。


すると、レク係が舞台に立った。


「これから、レクレーション大会を始めます!!」


「いえ~い!!!」


拍手が湧きあがった。


「では、まず最初に初めの言葉です。

 ○○さんお願いします。」



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



無事、レク大会は終わった。


優勝は1組だった。リレーの時に、


大差をつけたのが大きかった。


歩「いやぁ~ 優勝できてよかった♥」


茜「でも疲れたぁ!!」


茜はぐんと、手を組んで上に伸ばした。


理「じゃあ帰ろっか」


美「あ、でも、ちょっと、用事があるから、

  先に行っててっ」


すると、美玖は階段を駆け足で登っていった。


202号室の扉を、トントントン と、ノックすると


勇太が出てきた。


勇「あ、じゃあ⋯こっちきて」


すると、勇太は美玖の手を引いて、


階段の少し奥の人目のつかないところにしゃがんだ。


勇「ここならだれにもバレないで済むだろ?」


美「バレちゃいけない話なの?」


勇「いや⋯その⋯⋯

  悪かったなぁ⋯って⋯」


美「え?」


何の話かわからず、美玖は吃驚した。


勇「お前に心配ばっか掛けてるだろ⋯」


美「⋯なんで?」


勇「最近お前が泣きっぱなしだって、

  歩とか田村とか志保田が⋯」


美「あぁ⋯でも⋯全部あたしのせいだし」


勇「俺のせいだってある⋯」


美「⋯。」


その言葉には、何も返せなかった。


勇「でも俺が好きなのは、彼女だけだし⋯

  鈴木とは、お前の話をしてただけなんだ。

  だから、勘違いはしないで⋯」


美「理央⋯⋯ちゃんと?」


勇「ん、ちょっとな。

  田村に言うと、厄介になりそうだったから」


勇太は理央にいろいろと相談していた。


理央も、二人が幸せになってくれるように。と、


ちゃんとしたアドバイスをくれたという。


その話を聞くと、美玖は拗ねたような顔をし、


美「⋯そりゃ、ちょっとは勘違いしたけどさぁ⋯」


といった。


すると、勇太も美玖の反応を見て安心したのか


勇「ワリィワリィ」


と、笑っていた。


美「でも⋯安心したなぁ⋯。

  理央ちゃんが好きじゃなくてっ」


そういい、美玖は勇太のほうを見た。


すると、勇太と目が合う。


勇太は美玖の肩をつかみ、美玖は目を瞑り、


二人はお互い顔を近づけ⋯唇を重ねる。


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