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フェイク  作者: ひなの.com
50/67

自信のチカラ。


一方そのころ⋯


茜に、話したいことがあるといわれ、


勇太はマンションの屋上に来ていた。


勇「なんだよ⋯大事な話って」


しばらくすると、コツ⋯コツ⋯コツと階段を上る音がした。


するとそこには、茜と圭介が立っていた。


勇「お前ら⋯⋯何しに来たんだ?」


茜「このままでいいのかなーって。」


圭「今日なんか、お前のせいで田中に睨まれたぜ?

  相当追い詰めてるようだな。」


勇太は黙り込んでしまう。


勇「それくらい⋯わかってる。でも―――」


茜「じゃあなんで何もしないのよ!!!」


茜は勢い余って、手を振りかぶったが、


圭「やっやめろ!!」


圭介に後ろから手を組まれ、止められた。


勇「わかってる。自分が悪いことぐらい。

  だけど⋯」


圭「だけど⋯⋯?」


勇「本当に好きなのは俺じゃなくて

  他のやつなんじゃないかって⋯」


長い前髪を掻きあげ、口を食いしばっていた。


茜「そんなの⋯」


圭「彼女を信じられないか!?」


勇「そうじゃない、でも―――」


圭「彼女を苦しめて!! それでも知らんぷりで!!

  ⋯⋯それでも彼氏か?」


圭介の表情は険しく、怒りをぶつけた。


圭「お前がそんな中途半端な気持ちなら⋯

  俺が田中(アイツ)を奪う!!!


圭介の目はしっかり勇太を見つめていた。


すると勇太は顔をあげ


勇「⋯上等だ。」


と呟き、不気味に微笑んだ。


圭「勝負は修学旅行だ。」


圭介は勇太の耳元で囁き、


階段を下りて行った。


茜「これ以上、美玖を悲しませたら、

  親友としてあたしが許さないから。」


すると、


勇「大丈夫。彼女を悲しませたりゃしない。」


勇太は自信に充ち溢れた笑顔を見せ、階段を下りて行った。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



美玖はすっかり元気を取り戻していた。


――なんで修学旅行なのに校長先生の話長いの⋯


そう、今日は修学旅行の日。


出発式が行われていた。


やっと校長先生の話が終わり、いよいよバスに乗る。


美「はぁー、3日間もこの景色が見れなくなっちゃうよ」


修学旅行は、3泊4日だった。


茜「でも⋯楽しみだね^^」


美「うんっ!!」


美玖は満面の笑みで、元気よく返事した。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



バスが揺れて、寝心地がいい。


前夜は、楽しみで眠れなかったせいもあった。


席は勇太と隣だった。それもそのはず、


二人が彼氏と彼女と知っている限り、


誰もその二人の隣を選ばず、


最後に残った席に強制的に座らされたような感じだった。


しかし、久しぶりに隣の席になったものの、


会話は生まれず、時が長く感じる。


しかも、勇太はバスで酔っているのか、


ずぅっと外を見ている。


先生「もうすぐ、昼食でーす

   いやぁ、それにしても、

   3時間のバスはきついね!!><」


――3時間も乗ってたんだぁ⋯


3時間でも十分長いのだが、


美玖の体感時間は5時間ぐらいあった。


しかも、乗り物酔いにより、頭痛がしていたため、


ちょうど外の空気が吸いたいと思った頃だった。


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