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フェイク  作者: ひなの.com
48/67

亀裂、裏切り。


茜「で、どうしたのよ?」


聞かれると、遥は満面の笑みで


遥「俺、美玖に大好きって言われちゃった♥」


と、嬉しさがあふれ出ている声で言った。


その衝撃の言葉に、


「「「「「えぇぇぇぇぇ?!?!?!」」」」」


皆、驚いた。


勇「おい、ちょっと待てぇぇぇ!?!?!」


勇太は美玖の前に立ちはだかる。


一方、圭介は美玖を肘で突く。


圭「おいおいーお姫様? 浮気ですかぁ?」


明らかにからかうような口調だ。


美「ちっ、違うよ! あたしはただ、

  [親友としては大好き]って言ったのっ。ねぇ?」


美玖は遥に問いかける。が、


遥「え? そうだったの!?Σ」


どうやら遥は本気で勘違いをしていたようだ。


勇「へっへ、これはどういうことですか。」


苦笑いしながら勇太は言う。


美「へ? 勇太まで信じてんの?

  この(バカ)の言うこと。」


遥「え、俺バカ!?」


美「ハルは黙っとけ。」


遥は言葉が返せずにいた。


勇「そーいわれると⋯なぁ⋯」


遥「お前まで!!」


本気で落ち込んでいるようだった。


勇「ま、ドンマイ★」


勇太は遥に、憎たらしく、ピースをしていた。


その行動に、遥は頭を抱え、


「あぁダメだぁ」と連呼していた。


すると、圭介がぼそりと呟いた。


圭「やっぱり大好きなんだな」


その一言をきくと、勇太は席へと戻ってしまった。


その行動に、美玖は少しばかり心の傷を負った。


そのことに察したのか、


圭「照れてるだけだから、ダイジョブっ」


圭介は美玖の肩をポンと叩いた。


美「うん⋯。」


しかし、このことがきっかけに


二人に亀裂が入るとはだれも予想はしなかった。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



席替えしてから3週間。


最近、なぜか勇太は美玖から離れていっているような気がしていた。


それに、理央と妙に仲がいい。最近では、二人で仲良く


笑顔で話している様子も見受けられる。


茜「このままじゃまずいんじゃないんですかっ?」


美「なにが?」


休み時間、教室でだるそうにしていた美玖に話しかける。


茜「(勇太のことだよ! 勇太!!

   最近全然話してないし!!)」


美「うん⋯」


最近のテンションはやけに低いと


悟っていた茜は、助け船を出してくれた。


茜「理央ちゃんは勇太君と仲がいいし!! ⋯⋯

  あのコはまだ私でもよく読めないんだよなぁ」


美「はぁ⋯」


美玖はため息交じりに聞いていた。


茜「ため息なんかついてる場合かよっ!

  攻めで行こう!!

  攻めなきゃ取られる、奪われる!!」


美「そんなこといってもねえ⋯」


今の状態では、美玖に何を言っても駄目だ。


それでも、親友だからこそ助けたいと思った茜は、


茜「ほらっ、修学旅行があるよ? 理央ちゃんと勇太が

  行動班一緒になってもいいのかな?」


と、やきもちを妬かせるようなことをわざといい、


彼女としての自覚をして欲しいと思った。


が、


美「もういいや⋯どうせあたしは嫌われたし。

  離れて行ったのは勇太(アイツ)のほうだし。」


美玖の悪いところは、ネガティブになると


極端にネガティブに突っ走るところだった。


そんな美玖のやる気のなさにに、茜は怒りだす。


茜「⋯もういい!! 私、理央ちゃんと

  一緒の班になって勇太を誘うから!

  後悔しても知らないから!!」


美「⋯⋯ん」


茜は涙を浮かべながら、もう一言付け加えた。


茜「裏切り者だって言われてもいいから⋯。」


そう言うと、茜は足早に自分の席に戻り、


勇太と楽しそうに話していた。茜は、


美玖に最後のチャンスを与えたつもりだった。


美玖は、その様子を見受け、しばらく考え込んでいた。


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