恐怖、ドキドキ。
[約30分後]
その時、
圭「俺、そろそろ帰るわ」
と、いきなり帰りの支度を始めた。
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!」」
勇&美「なんで?!」
すると、圭介は少し考え、
圭「用事があるんだよっ」
と、曖昧に返した。
美「何の?」
それでも美玖はしつこく聞く。
圭「⋯用事があるんだよ!
俺にぐらい都合はあるわ!」
すると、走って行ってしまった。
「「⋯⋯⋯」」
2人は顔を見合わせた。
勇「お前のせいだぞっ?w」
美「なんでよっ」
勇「野暮なんだよ野・暮・!」
美「人間不信なのっ」
勇「そら重傷だ。
精神科に行った方がいい」
美「あんたのほうが重傷よw」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
圭「たっだいまあー♪」
「「「おかえりー!!!」」」
どうやら、作戦とは、
圭介を意図的に抜けさせ、
二人っきりにするというものらしい。
圭「で、その後はどう?」
歩「大きな進展はないですねぇ」
圭「そーかぁ⋯」
茜「好きな人と二人っきりなのに、
なんで告白―― とかなんないのかねぇ」
理「ホントだよ~ あたしだったら、
真っ先に告白するけどな?」
すると、茜は理央の隙を見逃さなかった。
茜「誰を?w」
理「え? えー!? そ、そこ?!w」
茜「え、何そのリアクション!
気ーにーなーるぅー♥」
すると二人も悪乗りした。
歩「僕も気になるー!」
圭「俺も気になるー!w」
いきなりのことでびっくりしてしまい、
戸惑っていた。
理「まぁ⋯それよりさ!^^;
お二人さんのほうをみとこうよ」
その言葉には誰も反論できなかった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[10分後]
圭介が時計を見た。
圭「このままだとヤバいな⋯」
理「もうすぐ集合時間になっちゃうよぉ」
集合時間まで、あと6分だ。
茜「どうする? 集合時間延ばす?」
一同は焦りと不安に包ませていた。
しかし、歩は重要なことに気がついた。
歩「でも、あの二人⋯確か、
時計持ってなかったよ⋯ね?」
理「あぁ! 確かに!!」
圭「じゃあこのまま続行ってわけだ★」
茜「ここらへんも、時計がなくて
不便だしね」
理「あ、お2人さん⋯」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
二人はベンチに座っていた。
狭いベンチで、二人座るのに精一杯だった。
美玖は、周りの景色をずっと見ていた。
―――いいなぁ⋯あたしも浴衣がよかったなぁ⋯
祭りに来ている半数は浴衣と言っていいほど、
このお祭りでは浴衣が当たり前なのだ。
―――でもあたしたちは⋯お店のお手伝いだもんね⋯
楽しむために来たんじゃない⋯。
「なぁ⋯」
美「えっ?///」
勇太がいきなり話しかけてきた。
勇「⋯やっぱり俺⋯お前のこと⋯」
美「え?」
その言葉の後に続くものが怖くなり、
美玖はうつむいてしまう。