トライ!3分クッキング。
[09.03.金曜日]
秋祭りは金曜日と土曜日2日間にわたり行われる。
ラジオ体操に毎回参加すれば、皆勤賞がもらえ、
やきそばとソースせんべいとジュースの無料券がもらえる。
土曜日は休日のため、毎年来場者も大幅に増えるようだ。
その秋祭りの手伝いを任された
美玖、勇太、茜、圭介、理央、歩は、学校の授業が終わると、
真っ先に家に帰った。秋祭りは6時から始まる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
美「おそいーっ」
デジタル時計の文字には[16:43]と表示されている。
すると、のんきに勇太が来た。
勇「YO★」
美玖は呆れていた。
美「なにがYOだよ⋯;
ってそーじゃなくてっ!! 遅い!!」
勇「いやー、ちょっと、塾の宿題がね⋯;」
美「はぁ!? 仕事より塾優先かよ!!」
勇「いや、ちがうちがう!!
塾の先生が怖いし⋯
(俺、塾では優等生だし⋯)」
美「学校では優等生じゃないですけどね!!
とにかくいくぞ!!^^╬」
美玖は、半分キレ気味のまま
勇太の手を引いて会場へ向かった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
公園に着くと、茜と理央がいた。
すると、真っ先に勇太を引っ張り、
こそこそ話をし始めた。
茜「(で、どう? 心の壁は。)」
茜と理央はこの間の作戦について
気になっていたようだ。
勇「(見ての通りです⋯けど)」
理「(やっぱそーだよね!
手ぇ繋いでるもん)」
すると、勇太は思わず大声を出してしまった。
勇「え!? あわわ⋯;
(手なんかつないでたか!?)」
茜「(あらら、無意識だったとは⋯♥)」
理「(さすが肉食系♥)」
すると、3人の行動が気になっていた美玖が疑いはじめる。
美「3人とも何やってんのー?
隠し事は許しませんよー」
その言葉に、勇太と茜と理央は、
「「「いや、隠し事ではありません。」」」
と、ビビりながら返答する。
美「はぅ?」
「「「なんでもないです。
はい、すみません。」」」
その言葉に、美玖は納得のいかないようだったが、
一応、それ以上は何も言わなかった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
美「これから3分クッキングを始めま~すっ」
茜&理「いえーい♥」
勇「いえーい⋯」
茜と理央はやる気満々で、大いに拍手しているが、
勇太はこの空間が気に入らないらしく、
気だるく拍手をしていた。なんせ、
女子3人も居る中、男子は一人だけだった。
美「では? えーっと⋯どーしよっかぁ⋯。」
勇「どうしよっかーじゃねーよ!!
つーか、そのちょーしでホントに
3分でできるのか?!」
美「ダイジョーブ!! だってあれ、
実質3分以上かかってるし♪
出来上がってるものを出して、
傍から簡単に見せてるのよっ」
勇「⋯はい、進めてください;」
⋯
そんなこんなで、準備はグダグダからの始まりだった。