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フェイク  作者: ひなの.com
35/67

心の壁、少しずつ。


美玖は、給食も食べ終わり、席を立とうとした瞬間、


遥「どこに行くの?」


と遥が聞いてきた。というより、毎週聞いてくる。


美「だからいつも言ってるでしょ?

  火曜日は勇太と放送室まで競争するの。」


そう言いさり、逃げようと思ったが、


遥がしつこく、競争どころか放送室にも行けなかった。


美玖が放送室についたころは、勇太が放送室についてから


5分程経ったときだった。


美「はぁ⋯はぁ⋯」


勇「今日は俺がかったぜ?」


勇太はのんきに椅子に座っていた。


美「いや⋯だって、遥が⋯」


勇「言い訳無用!! っていったのは

  誰でしたっけ?^^」


美「もうっ、だからハルの隣は嫌だって⋯」


その時、ついに勇太は話を切り出した。


勇「お前は⋯木下のこと、どう思ってる?」


美「え?」


美玖は最初、唖然だった。


勇「いや⋯好きなのかな⋯って。」


その言葉を聞くと、美玖は笑顔になった。


美「そんな馬鹿な~!!w あんな奴⋯むしろ嫌いよっ><」


勇太は、美玖の言葉を聞いてほっとした。


勇「でも⋯幼馴染なんだろ?」


美「まぁ⋯幼馴染だけど、それ以上の関係にはなれないかな⋯

  友達としては好きだよ? あいつだってあー見えても

  真面目になればすごいし。だけど⋯やっぱり幼馴染だな。

  これぞ、友達以上恋人未満ってやつだよねっ^^」


勇「ふーん」


勇太も納得していた。


美「それにしても、なんで?」


勇「だって⋯あいつはお前よりも背も高いし、

  頭もいいだろ? それに⋯」


と、言いかけた時、


美「あんたは知ってるでしょ?

  あたしの本命ぐらい。」


勇「⋯まぁ。」


それはだれかと言えなかったが、


お互いに誰の事なのかは分かっていた。


美「あたしは⋯一途だから」


そして、美玖は再び笑顔を見せた。


すると、勇太はこんなことでもやもやしていた


自分が馬鹿らしくなってきた。


勇「俺も⋯」


その続きはあえて言わなかった。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



美「そーいえば、来週は秋祭りだよ?」


勇「もうそんな時期かー」


美「9月3日と9月4日。2日も連続なんて結構きついね;」


勇「でも、ジュースとか飲み放題だろ??^^」


美「残ったあんず飴とかも食べれるよっ♪」


勇「じゃあ焼きそばとかも??」


美「うんっ★ 紅ショウガだけって時もあるけどw」


食べ物の話になると、いつも以上に盛り上がった。


勇「当日は、5時に集合でいいんだよな?」


美「そんなに心配なら一緒に行く??」


勇「あ⋯うん。」


美「OK! じゃあ、ロビーに4時40分に来て★」


勇「了解っ」



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



再び始動した恋の作戦は成功に終わった。


こうして、知らぬ間にできていた心の壁が


少しずつ消えていた。


そして、席が離れ離れになったと共に、


お互いの大切さ、そして、自分の気持ちを改めてを知った。


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