恋の作戦、再び。
こうして勇太と美玖の席は離れ離れになってしまった。
遥は美玖にまとわりつき、勇太の心はもやもやしていた。
美玖も勇太が気になり、授業に集中できていなかった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
遥「ねー、美玖って好きな人いるの?」
遥が然り気無く言った言葉だった。
美「ぶはっ!>3<」
給食のときのことだった。美玖はびっくりしてしまい、
遥の顔に味噌汁を吹きかけてしまった。
美「ごめんごめん⋯」
遥「うぅ⋯」
美玖は自分のハンカチで遥の顔を拭いてあげていた。
遥「で、いるの??」
すると、美玖はしばらく考え込んだ。
美「ハルも鈍感だなぁー 6年生にもなって
好きな人がいない人なんているの?」
遥「そりゃそうだけどさ⋯。美玖は幼稚園の頃から
男の子とは仲良かったけど、
好きな人はいなかったじゃん?」
美「それはあくまでも過去の話でしょ^^」
遥「そっか⋯」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
このころ、勇太たちは班で計画を練っていた。
勇太の班には茜と理央もいて、勢ぞろいで考えていた。
圭介は無駄に真剣だった。
それほど勇太の恋を応援しているようだ。
圭「まずは、あの気障野郎のことを田中が
どう思っているのかを調べなければ!」
茜「じゃあ私たちが調べてあげようか?」
圭「でも、田村と鈴木は田中の思いを知ってるんだろ?
だから、もし本命が木下に変わっちゃっても
本当のことが言えるだろうか? ましてやこんなに
応援してくれているお前らに⋯^^;」
理「じゃあやっぱり⋯勇太君しかいないのか;」
圭「というわけで、よろしく!!」
勇「え?! 何が??;;」
圭「田中に、木下のことが好きか聞くんだよっ」
茜「あ、そーいえば、勇太と美玖は明日が
放送当番だったよね??」
圭「じゃあ、その時に聞けよっ!!」
勇「うん⋯わかった。」
いつもだったら乗り気でない勇太も、
自分の気持ちに気付いたのか、今回は違った。
こうして、恋の作戦第2弾が始まった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[翌日]
席が離れ離れになったとはいえ、
ちっとも話さないわけでもなく、
休み時間の時も、2人で話すときもあれば、
クラスのみんなで外で遊ぶ時もあるため、
話す機会が極度に減ったわけでもなかった。
今日も、休み時間、2人は話していた。
勇「あー、今日は放送当番だよ」
美「1週間に1回もあるのに、久しぶりな感じがするなーっ」
勇「今日もいっちょ競争するぞ?」
美「おうっ! 今日だってかってやるしっ」
勇「だから⋯身長差が⋯」
美「言い訳無用!! 全速力でいけばいいのよ!!」
勇「はい⋯わかりました;」
キーンコーンカーンコーン♪*.+
美「じゃ、またあとで」
勇「今日こそ勝ってやるからなっ」