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フェイク  作者: ひなの.com
31/67

夏休み計画。


「はぁはぁ⋯」


身体が無意識のうちに走っていた。


急いでいたわけでもないのに。


美「あれ? ゴミないじゃん⋯

  もしかして⋯」


ゴミ収集車は既に行ってしまったようだ。


美「はぁ⋯またかよ⋯」


美玖は、ゴミをそこにおいて帰ってきた。


ロビーにはまだ勇太がいた。


勇「おっせーよ」


美「え?」


美玖が来るまで本当に待ってくれていたと知ると、


なんだか美玖は嬉しさがこみ上げてきた。


美「べ⋯べつに⋯待っててほしかったわけじゃないし!」


――なんであたし⋯本当のこと言えばいいじゃない!


どうしても素直な気持ちが言葉にできない。


勇「俺だって⋯暇だっただけだし」


どうやら向こうも同類(なかま)のようだった。


なぜだか恥ずかしさも込み上げてきた。


目が合うと、体が熱くなる。


すると、思わず目を下に向けてしまう。


美「⋯」


勇「⋯」


そして、沈黙が続いてしまう。


その沈黙を破ってくれたのは


勇「⋯そ、そういえば、

  9月の盆踊り⋯行く?」


勇太だった。


美「⋯今年も屋台のお手伝いを頼まれてるの^^

  そういえば、男子があと二人足りないって

  言ってたけどよかったら⋯あんたも⋯」


勇「まじでか! その日⋯俺も暇だし、

  行こうかなって思ってたけど」


美「ソースせんべい食べ放題だし!!

  あーんど、ジュースも飲み放題♥」


勇「じゃあ俺もやる!」


ようやく、沈黙も破られ、いつの間にか盛り上がっていた。


美「OK! あと1人は?」


勇「⋯⋯圭介とかは?」


美「おーいいね!! 茜もいるから、

  あの2人はなかなかお似合いだしっ♪」


勇「OK! その日が楽しみだなーっ」


恋バナにも花が咲く。


美「そーいや、もうすぐ夏休みじゃん⋯」


勇「夏休みは⋯何にもないなー」


美「そう! 暇!! まぁ暇でいいんだけどさ」


勇「お前はいつも暇だもんな^^」


美「余計なこと言うなっ!」



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



そんなこんなでロビーでずっとくっちゃべってたら


いつの間にか10時を過ぎていた。


美「あれ? ちょ、え? 2時間もたってる!」


勇「あー、タイムスリップでもした気分だ。」


美「お前は勝手にしてろ。

  あー、いい加減、帰んないと陸に

  怒られるかもしれない!」


勇「へぇー、兄ちゃん怖いのか」


美「飛鳥におこられても怖くないけどね⋯

  ってか飛鳥ってあんまり怒んないなー」


するとその時、勇太はびっくりしたような顔をした。


しかし、それは一瞬のことでよくわからなかった。


勇「後ろ。」


美「え? なに? 何が後ろ?」


美玖は後ろを振り向くと、


そこには陸がいた。


美「Σ(◉д◉!!)」


勇「噂をすれば」


すると、陸は笑顔で近寄ってきた。


美「うわわわわ!」


陸「え? 何?^^

  俺のこと噂してたの?」


笑顔が妙に怖い。


勇「うんっ^^ こいつが、

  陸のこと怒ると怖いとか

  なんだとか言ってたっ♪」


美「(おまえなぁ⋯余計なこと⋯)」


陸「ダイジョブ♪ 後でお説教だから^^」


美「え? 何!? あたしなんか悪いことした!?」


勇「俺に聞かれても知らん。」


陸「あ、じゃ、俺、ちょっといってくるわ^^」


勇「ばいばーい」


美「説教って何よ⋯」


相変わらず笑顔のまま、陸は駅へ向かった。


勇「兄ちゃんどこ行くの?」


美「バイトだよバイト。前は生活費が苦しいから

  ってやってたけど、今じゃ普通なんだよね⋯

  なんだかんだいって、そーいうのが好きなんだよね」


勇「ほぉ⋯」


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