ゴミ出し、奇遇。
そんなこんなでいろいろ遊んでいたら、
もう4時になっていた。
勇「俺、そろそろ帰るわ」
美「時間がたつのって早い。」
飛「俺も。最近よく思うんだよな⋯」
陸「俺ぐらいになると、
これが当たり前なんだよな」
そんな話をしている合間に、
勇太は帰る支度が終わったようだ。
勇「じゃ!」
手を然り気無く上げて、
勇太は帰って行ってしまった。
陸「クールだねぇ⋯
俺には絶対できん」
飛「追いかけなくていいの?」
美「なんでよ!?」
飛「なんか⋯ロマンチックに⋯」
すると、美玖は飛鳥のほほをつかみ、
美「んなわけねーだろっ」
と言っていたが、半分笑っていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[翌日]
美「あー、もう面倒くさっ!」
今日はゴミ出し当番。
他の家族とは違い、親がほとんど居ないため
田中家では当番制になっているが、
やはり、面倒くさいというのがあるようだ。
しかし、
陸「一人サボると歯車が狂っちゃうよ」
というように、ルールを破ることはできない。
美「わかってるよ⋯^^;」
仕方なく、出不精の美玖は日曜ながらも、
家から出るということに少し不満があるようだが、
リフレッシュも含めてゴミ出しに家を出た。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――あれ? 今日って、大好きなドラマの日じゃん!
やったね★ あでも、他に特番もやるんだ⋯
どっち見ようかなーっ? 今週は最終回だから
見逃したらあれだし⋯でも録画しようと思っても
ハードディスクが結構ヤバいんだよな⋯><。
そんなことを考えながら、ボーっとエレベーターにのった。
――仕方ないや⋯前に録った映画消して、DVD借りようかな⋯
あ、でもそしたらドラマのDVD買ったほうがいいかな?
でもレンタル価格が今週は安いんじゃなかったっけ⋯?
ってかなんでこんなに悩んでんのあたし!!
あー、あたしって優柔不断だなぁ⋯。
そんなことを考えている間に、いつの間にか1階についていた。
――そんなんだから勇太に⋯
「あ、ゴミ出し女。」
美「え!?」
目の前を見ると、なんと勇太がいた。
美「うわあ?!」
条件反射的に、美玖は後ろに下がっていた。
勇「なんだよ、失礼なっ!」
美「あんたこそ失礼でしょ!」
勇「それよりなんだよ、ゴミ出し?」
美「当番制ですから。」
そう言い、美玖はその場から逃れようとした。
が、しかし、
勇「あ、逃げた」
と言われちゃあ、美玖も放っておけない。
美「あたしゃちっとも逃げてないわ!
なんせ重いもん! ゴミ。持ってみる?」
思わず美玖は感情で話してしまう。
勇「え、何、荷物持ちですか。」
勇太はやる気のない声で返した。
美「と、とにかく!
ゴミぐらい捨てにいかせてくれないの!?」
勇「勝手に行けよ。その代わりすぐ戻ってこいよ?」
美「はいはい。」
なぜ、自分は拒まなかったのか、不思議だったが、
美玖は走ってゴミ捨て場にゴミを捨てに行った。
勇「行ってらっしゃーいw」
遠くからそんな声が聞こえる。