タヌキ、起床。
美「⋯ストレス発散、完了。」
美玖のくすぐり地獄はやっと終わった。
勇「げほっ⋯げほっ⋯
おめっ⋯腹痛ぇじゃねえかよ⋯w」
美「これでぐっすり眠れますよーっ♪」
暗がりにうっすらと見えるお互いの影
頼りにするものはそれ以外になかった。
勇「俺だって⋯寝たいんだからよぉっ!w」
美「あっ、そうなの? ごめんねー♪」
勇「おめっぜってぇそれ謝ってねえよな⋯;」
美「それより寝ようよ!
もうすぐ寝ないと、怒られるよ?w」
勇「⋯それよりってなんだ。」
美「もうあたし寝ちゃうからねーっ!!」
そういうと、美玖は布団を頭からすっぽりかぶってしまった。
勇「おーいぃ!! タヌキ寝入りこいてんじゃねーよっ!w」
すると、布団の奥からぼそぼそと声が聞こえた。
美「タヌキ寝入りなんかこいてないもんねー」
勇「いやいや、思いっきり自分で[嘘です。]って
いっちゃってるようなもんでしょ、それ!」
すると、かぶっていた布団を勇太が捲った。
美「いいから! もう、本気で寝るからっ」
そして、また布団をかぶってしまった。
勇「わかったよ⋯俺も寝ればいいんだろ?」
と言ってみたものの、美玖からは返事はなかった。
勇「な⋯なんだよ⋯;;」
勇太も今度こそ寝ることにした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[AM:06.38]
ゴソッ
飛鳥が部屋にやってきた。
陸「(俺は静かにさせておいたほうがいいと思うよ?;)」
扉の裏で顔をのぞきながら陸はそう言う。
飛「(いいじゃん♪ おもしろいじゃん♪)」
そう言い、飛鳥は忍び足で二人に近づく。
やがて手の届く距離に近付いた。
手を伸ばした。が、
二人の可愛い寝顔を見ていると、なんだか悪い気がしてきた。
それに、美玖は一応、病人だ。
勇太もお見舞いに来てくれたというのに。
二人とも疲れはたまっているだろう。
手は、そのまま乱れた掛け布団を整えてあげた。
立ち上がり、あとを去っていく。
飛「お大事に^^」
そう一言かけて、戸を閉めた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[AM:07.04]
「⋯」
目を開けると、目の前が真っ白だった。
――え⋯なに!? 夢?! それとも⋯
しかし、その白い何かが動いた。
よく見れば、自分の呼吸に合わせて動いている。
飛び起きると、自分の目の前に、ひらり、
ティッシュが落ちた。
美「なんだ⋯ティッシュかよ⋯」
すると、横に座っていた勇太が口を押さえて笑っていた。
勇「やっと気付いたのか」
美「あんたがやったの?」
勇「いや? 俺が起きた時からあった。」
美「いや、あんた何時に起きたのよ」
勇「7時⋯ぐらい。」
美「じゃあ、まちがいなくあいつだわ!」
よく見れば、そのティッシュには
「朝ごはん、何がいい?」なんて書いてあった。