夜、壊れる。
美「あたし⋯なんで背が大きくなっちゃったのかな。
そしたら⋯馬鹿にされることもなかったのに」
勇「なんでそんなこと気にしてんだよ」
美「勇太だって⋯あたしのこと、
醜いとか思わないの?」
勇「べ⋯別に⋯
俺だってちっちぇえもん⋯」
美「それで⋯いろいろ馬鹿にされなかったの?」
勇「そらっ⋯お前が馬鹿にすんだろ?w
15㌢違うだの、お前はちっちゃいだの⋯」
美「じゃあ、あんた何㌢よ?」
勇「148⋯。」
美「ほーらっ 15㌢違う!
あたしは164㌢だもん!!
正確にいえば、16㌢!!」
勇「正確とかどーでもいいんだけどw」
美「だってさ? 損だと思わない?」
勇「何がさ?」
美「お前とあたしが逆だったらさ?
ほら⋯運命的な出会いをしてたはずなのに」
勇「たとえば??」
美「(なんでそこまで掘り起こす必要があるんだよ⋯
まぁいいわ。)
たとえば⋯背の低い女の子が
背の高い場所にある本をとろうとした。
でもとれない。すると、長身の男子が
手助けしてくれた。とすれば、女子は
キュン死にでしょっ♥」
勇「あ⋯そうなん?;」
想像(妄想?)しているだけなのに、美玖の目は輝いていた。
美「そうよ!! なのに、これがもし男女逆だったらどうよ?
勇太が本を取ろうとしてたら、
あたしが手助けして⋯キュン死にする?」
勇「考えるだけではきそうだぜw」
美「ふんっ! 悪かったわね⋯
それに、背がちっちゃけりゃ
まだ可愛いじゃない!!」
勇「俺だって好きでチビじゃねえんだよ!!」
美「あたしだって好きで巨人になったわけじゃないわよ!!」
勇「はいはいはい、お互い様ですねーっ」
美「何よ⋯ もっと興味を持ちなさいよ⋯」
真っ暗やみの中、2人はばかばかしい話をしていた。
勇「だって⋯これでも俺は充分だもん」
美「え?///」
と思われた。
勇「運命なんてこの世にないさ。多分だけどね
運命なんか自分で生み出すもんだろ??
美「⋯」
勇「俺たちだって同じ委員会を望まなきゃ
運命は生まれなかったんだしよぉ。」
美「⋯珍しく⋯いいこと言うじゃないw」
勇「め⋯珍しくってなんだよ!!」
暗闇の中で喧嘩をしていた2人だったが、
2人にとっては幸せな時間だった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
美「ねぇ⋯もう眠い。」
勇「いや、お前が最初に騒ぎだしたんだからな!?」
美「ねーさーせーてーよー!!」
勇「あーっ! わかった! わかったから!!」
まるで、勇太はお兄ちゃんのようだった。
美「いいじゃんっ!!
夜になるとテンションが上がるんだぁー!」
逆に、美玖はどこか大事な歯車が外れたようだ。
勇「⋯」
美「⋯」
沈黙が続いた。
すると、急に美玖が、
美「怖いよぉ⋯暗いの⋯怖いよぉ⋯」
となぜか怖がり始めた。
勇「だ、だ、ダイジョブだから!!
俺はここにいるから!!」
そういって宥めると⋯。
勇「うぎょっ!!!!><///
お⋯おい⋯!!!///」
美玖は勇太をくすぐり始めた。
美「あたしもたまにはドSになりたいんだもーん♥」
と言い、おもちゃのように遊んでいるようだった。
勇「きゃはっ⋯!!!艸///
やっ⋯やめろっ⋯///」
勇太も勇太で、くすぐられるのが弱いらしい。
美「いーつもーのおーかえーしでぇーすっ♪」
美玖が完全に壊れた。