世話役、兄弟。
「げほっげほっ」
――真面目に風邪引いたかな⋯。
立ちあがろうとすると、ふらついて、
壁に手をかけた。危うく転ぶところであった。
――熱⋯あるのかな⋯
頑張って立ちあがり、リビングへ歩いた。
そこには、6歳上の兄、陸がいた。
陸「おはよう美玖。」
美「おはよう⋯。」
陸「飛鳥は起きた??」
美「まだみたい⋯。」
陸「そう。っていうか
美玖、顔、赤くない??」
美「ちょっとクラクラすんだよね。
体温計どこ??」
陸「多分引き出しの中だと思う⋯」
すると、美玖は引き出しの中から
体温計をだし、測り始めた。
陸「だからいったじゃん、薄着じゃ寒いって!」
美「薄着のせいじゃないもん!
プールのせいよっ」
陸「それでもびしょびしょだったんだろ?」
美「ん⋯まぁ。
あ、38.2だって。」
陸「じゃあ、今日は休んだ方がいいよ。
あとで学校に電話かけておけよ?」
美「はいはい」
陸「ついでに、飛鳥も起こしてきて?」
美「はいはいはいはい」
美玖は飛鳥を起こしに行った。
飛鳥というのは、美玖の1つ上の兄である。
美「あーすーかぁーっ!!
げほっげほっ」
すると、飛鳥は顔をしかめ、起きた。
飛「ん⋯?? なんだよ⋯
母ちゃんじゃねーんだからよぉ」
美「あたしはお母さんの役目を
果たさなければいけないんですぅ!!」
父は単身赴任。母は忙しく、あまり帰ってこない
ため、美玖は幼いころから兄を見て育った。
飛「おめーが母なら、
俺はなんなんだよ⋯」
美「ふんっ<(`^´)>
無責任な父じゃないかしら??」
飛「えーっ、それだったら、
せめて義父がいいな⋯。」
美「おままごとじゃないんだから⋯
いい加減準備してyn⋯げほっげほっ」
飛「ダイジョブか? なんなら
この兄ちゃんの飛鳥様が
看病して差し上げましょうか?」
美「結構です。いざとなったら
陸にお願いするわ。」
飛「じゃあ俺の役目は⋯?;ω;」
美「あんたは場を和ませるだけで充分!」
飛「それにしても、お前よく喋るじゃねーか。
熱があるんじゃなかったのか⋯?」
美「え⋯/// 知ってたの⋯?」
飛「⋯俺だって子供じゃねーんだからよぉ」
美「⋯。それより!! 早く準備するのよ!!」
飛「はいよっ」
そんなこんなで、兄妹仲は意外に良いのだった。
――学校に電話かけなきゃいけないのか⋯。
家の固定電話からかけることにした。