プール、対決。
着替え終わった勇太たちは
プールサイドに行くと、
もうほとんど集まっていた。
先生がこちらを見ていたので、
あわてて自分の位置に座った。
圭「なぁ⋯勇太。
俺⋯お前がアイツの事
好きになるの、分かる気がする。」
勇「?! おめっいきなりなんだよ⋯」
圭「あんな性格だから普段は言われないけど、
よく見りゃクラスで1.2を争うほど
美人だし。面白いし、絡み易いし。」
勇「⋯」
圭「おまけに美白でスタイルもいいんだぜ??
最高なヤツ手に入れたなっ♥」
勇「なっ!! おめー気持ち悪いぞ!!」
圭「なんだよぉっ~
ホントは照れてんだろっ?^^」
勇「⋯。」
勇太は照れを表に出さない
性格だったため、あまり
勇太の本性を知る人物はいない。
それに対して、すぐに顔が真っ赤っかに
なる美玖は分かり易い性格だった。
先生「えーっ、と今日は
プール開きなんで、 校長先生のお話を
いただいてから、入水でーす。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
歩「塩とお酒なんてプールに
入れちゃって⋯不味くないの?」
美「あゆったら⋯
飲む前提で考えてるの?w」
歩「いや⋯だってぇ⋯;」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
みんな寒い顔をしていた。
圭「ったくよぉ⋯こんなに寒いのに、
プールだなんて⋯;」
勇「仕方ねーよ⋯。授業なんだから。」
先生「えー、じゃあ、まずは男子からー」
男子みんな、プールの横(11㍍)を泳ぐ。
勇太は水泳が大の苦手。
同様に美玖も苦手だったが、
5年生に平泳ぎが泳げるようになり、
今では 、50㍍は泳げるようになった。
先生「じゃあ、次は女子!!」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
そんなこんなで25㍍を
5本ほど泳いだら、自由時間になった。
すると、最初は勇太は圭介、
美玖は茜と遊んでいたものの、
勇太と美玖がすれ違うと、睨みあい、
そこからバトルが始まった。
最初は水かけっこから始まったものの、
段々とグレードアップしていき、
水中でキックやにらめっこやらしていた。
そして、最後には25㍍リレーが始まった。
今日はあいにく寒かったため、
見学者や、途中で寒くなり、スタンドで
待機する児童も多かったため、
プールの中は1クラス分の人数しかいなかった。
第1泳者は、男子軍は水泳が得意な圭介。
女子軍は圭介同様、水泳が得意な茜。
第2泳者は、もちろん、勇太と美玖になった。
どちらともスタミナやスピードは
同じということで、ハンデはつかなかった。
ルールは、1人50㍍泳ぎ、速く着いたほうが
勝ちという シンプルなルールだった。
これには、先生も没頭するほど傍観者がいっぱいいた。
美「茜!! がんばるのよ!!
圭介君なんかに負けないで!!」
圭「なんかにってなんだよ!!
俺だってこんなやつに負けたかないわ!!」
勇「はいはいはい、始めますよ。」
先生「よぉーい、」
ピピーッ
笛の音が鳴った。と同時に、
2人は綺麗にプールに飛び込んだ。
スタンドからも、黄色い声援が飛び交っている。
「がんばれぇーっ!!(→ܫ←」