素直になれ、自分。
その声を聞いた瞬間、
涙があふれ出てきた。
美「ゆう⋯た⋯。」
そこには、勇太が立っていた。
勇「どうしたんだよ!!
何があったんだ!?」
勇太は美玖の涙を拭ってあげる。
美「アタシ、どーすれば
いいか分からなくて⋯」
勇「ダイジョブだ⋯
俺が付いているから⋯」
その時、美玖は意識が朦朧とし、
ふらついたが勇太があわてて支えた。
カランッ
カッターナイフが落ちる音がした。
理央は震えていた。
理「⋯私⋯間違ってた。ごめん⋯」
その直後に、理央はひざから崩れ落ち、泣いていた。
美「アタシこそ⋯ごめん。」
その時勇太は、深刻そうで、不思議そうな顔をし、
2人を慰めていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
美「よっしゃ!! じゃあ、お前!!」
勇「はっはい⋯; なんですか⋯」
美「あたしと理央を手当てしたまえ!」
勇「はぁ? おめっ、さっきのはどこに行ったんだ?」
美「どこって⋯そこ。」
勇「そこってどこだよって聞いてんの!!」
理「まぁまぁ⋯いいから手当てをするのっ」
勇「お前まで⋯! もう⋯わかったから、
俺んちで手当すんぞ!! 俺んち⋯
親、両方ともたまにしか帰ってこねーから。」
美「うちと同じね。じゃあ遊び放題だ!」
勇「ちょ、俺んちで遊ぶなよ!!
⋯1人で歩けるよな??^^;」
すると、二人は首を横に振った。
勇「おめーら、俺にこき使ってるだけだろ⋯」
理「やだねーっこきだなんて物騒な!」
美「とにかく手当!! いいね?」
勇「(おめーら開き直り早すぎ何だよ⋯。何があったかも教えない癖に⋯。)
はいはい、分かりましたーっ。
連れていけばいいんだろ?^^╬」
美「それでいいんですよ 勇太く~ん」
勇太は苦笑いし、理央に手を差し出したが、
結局は理央は遠慮し、自分で歩くとのことだった。
次に、美玖に手を差し出すと、
美玖は、両手をあげて、「おんぶぅ」といった。
すると勇太は声を出さずに、「は?!」という顔をし、
10秒ほど考えて、美玖を構える体制になった。
美玖は、遠慮もせずに勇太に飛び乗った。
その瞬間
勇「重っ!?!?!」
美「⋯!!/// 何よ⋯失礼ねっ」
それと同時に、勇太の頭を軽くたたいた。
勇「どんだけお姫様気取りなんだよっ」
その後、美玖と理央は勇太の家で手当をしてもらった。
美玖と理央はお互いを見合い笑った。
勇「すげぇ!!! いかにも怪我人じゃん!!」
2人とも包帯でぐるぐる巻きだった。
勇太が下手ということもあったのだったが⋯。
美&理「「悪かったなぁ!!^^╬」」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
歩「どーしたのぉ?? その怪我。」
美「いやぁ⋯ちょっと⋯」
理「色々大変だったの⋯;」
美「んでもって、コイツに⋯」
美玖が指をさした先には勇太が。
勇「でも、そんなにおおごとじゃないから⋯!^^
心配しなくていーぞーっ♪」
美「お前が言うな!!」
歩「そう⋯? ダイジョブそうならよかった^^;」
そして、教室までいく間に色々な人に
話しかけられたが、歩と同じような返答をし、
真実を知られることは逃れた。
そして、席についたらすぐに駆け寄り、
理「ねぇー昨日さー? 結構いい感じだったよね?」
相変わらずのおせっかいだこと。
美「別に⋯;」
勇「何事もなかった⋯ぞ?;」
理「またまたぁーっ☆ だってさ?
俺が守ってやるーとか言って、
カップルみたいやったもん!!」
美「それは⋯ねえ?」
勇「ん⋯あぁ。」
理「それにさぁ⋯ねえ!? おんぶとかしてたし⋯♥
ニヤついてるの我慢できなかったもん!!」
すると、2人は恥ずかしくなり、
昨日自分たちが無意識に理央の前で
やってしまったことを、後悔していた。
そこに邪魔ものが。
茜「えぇ?! 嘘!? ちょっと
あたしのいないところで
何やってんのぉー?!?!?!?」
その瞬間に、2人はもう駄目だと思った。
理「そーなんだよ!! 人前で!!
この2人、大胆だよねー」
茜「ねぇーっ!! なんだかんだいって
仲良いんだよねーっ★ 羨ましいねーっ」
美「あたしは⋯別に、なんとも思ってないもん⋯」
勇「こいつはただのクラスメイトだろ。」
――あーっ⋯またあたし⋯余計なこと言っちゃった⋯。
と。
2人はいつになったら素直になれるのでしょうか。