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涙雨 〜雨の降る町〜  作者: クルったみかん
泉田あゆ 「聴こえる少女」
1/2

雨の降る町

雨が降っている

今日は小雨

…雨が降っている


サラサラ…と、耳を澄まさないと聞こえない強さで…



雨が降っている


見えない、触れない、でも微かに聴こえる


聴こえてくる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私の名前は【泉田(いずみだ)あゆ】

4ヶ月ほど前にこの町(細川町)に越して来た、普通の中学1年生である


この町に越して来たばかりの頃、


[雨の音がしたはずなのに雨が降っていない]

[鳴ってないはずの音が聴こえる]


恐怖に駆られ、一日中布団の中に包まったこともあった

だけど、

耳を塞いでも、少し聴こえる



そんなことでビクビク震えた4ヶ月

流石に慣れて来た


鳴ってないはずの音が聴こえても、無視が出来るようになって来ていた



そんなある日のこと


クラスメイトの【Tちゃん】が行方不明になった



学校は数日間お休みになった


地域の大人達が大勢で探した


警察も動いた



でも、


見つからなかった




ただ、聴こえてくる音が増えた


「グスッ…うわ〜ん」

と泣く子供の声が聴こえるようになったのだ






Tちゃんが居なくなってから一週間程経った頃


「クゥーン」

と鳴く、犬のような声が聴こえるようになった



聴こえるようになった次の日には

『愛犬を探しています』

と書かれたポスターが電柱に貼ってあった





それから、

3日後、5日後、6日後、1日後、1日後

と、予測出来ない日にちに聴こえる鳴き声が増えていった


それと同時に


()()()()()()()()()()()()気がした








夏休みに、犬の声をたどって散歩に行った


私はただの私の幻聴である可能性を願っていた


だから


知りたくなってしまったのだ

雨はもう、


大粒の雨になっていた

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