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鏡の中の愚か者

カランカラン

迷える子なら入っておいで 鈴の音鳴らせばお出迎え 貴方の居場所はここにある。

 帰れないっ……?そんな……えっなんでだ。だってて今までずっと話が終わったら帰っ「貴方は来てから一回も帰っていませんよ。初日はかえれそうでしたがなんとか眠気が勝ちましたね。いやはや、あのときは焦りましたよ」


 そういえば……ずっとこの場所から出ていない……

 というよりここはどこなんだ?一体いつこの場所に来たんだ。


「やっと思考がある程度安定しましたか……まぁ、そんな今の状況は置いときまして今回も早速怪奇話に参りましょう!」


 えっ待って今は話なんて聞いてる場合じゃない


「うむ、貴方の言い分も確かだ。ですが今回は私の欲を最優先にしてもらいますね。そうですね〜聞かないと還しませんよ」


 店主はニコッと笑った。だが何かおかしい……?あっ、そうか目が笑っていないんだ……

 逃げたい、ニゲタイ……だが絶対逃げたらここで終わる気がする。だけど……


「うむ!分かってもらえたようで何よりです!さぁさぁ、今回は何の話にしましょうかね〜!あっそうだ!これが一番いいですね。何よりこの話は貴方と私、両方の欲を満たせる。ささ怪奇話と参りましょう」


 始まってしまった。だが僕の体はもう少しも動かせなかった。

 ただ椅子から立ち上がりすぐ近くの扉を開ける。たったそれだけのことなのに。


「これはある蔵の前から始まったお話です」


 僕はもうここから帰れないんだろうか……




「ある時、蔵の前に複数の気配が現れました。しばらくすると扉が開き中に一人、坊主で制服姿の青年が入ってきました。それは蔵の中を進んでいき蔵の奥にあった担子たんすから数珠を1個持ち出し帰っていきました。しばらくすると扉が開きまた誰がが入っていきました。今度は少し髪の長い学ラン姿の少年でした。それは蔵の端の方にあった姿見に近づいき、そして運悪くそこに足を引っ掛け転んでしまい姿見を割ってしまったんですよ。すると突然大きな声が聞こえてきてバタバタっと騒がしくなり蔵の扉がガラッと開きました。」

『『おい!大丈夫か!?』』

「先程の坊主の子、今回はAとしましょう。それとあと一人、髪を編んでいる制服姿の少女です。今回はBとしましょう。その子たちは」

A『本当に大丈夫か?ほら、手を掴め』

B『ほれ、鏡の破片散らばってるからそこから離れたほうがいいよ。怪我してない?』

「と、声をかけてきました。大丈夫だ、そう言っておぼつかない足取りで立ち上がると二人は少し安心したような表情を見せ」

B『にしても派手にやったな……勝手に入ってこれはお爺ちゃんに叱られる。まぁバレなきゃいいか』

A『ははっ、まぁバレて叱られるときは一緒に叱られてやるよ。それより怪我なくてほんとに良かった。さぁ、ここ片付けて早めに退散しようぜ』

「そうだな、そう言いその日はそのまま鏡の片付けをし帰りました。」




「これにて学生たちの愚かな物語はおしまい。ご清聴ありがとうござ『タスケ……ダシテ…………』いま……はぁ…今、この状況分かってんですかね。私がせっかくお前のことを忘れないためにこの方にお前の話をしてやっているというのに。まったく、いくらこの話をし自分の事を知っている人が増え、存在が強まったとはいえ急に出てくるのは失礼ではないですか?おやっ、これは失礼。お見苦しいところをお見せしました。しばらくお待ち下さいね。」


 店主は突然、口をガバっと開き中から透明な何かを取り出した。


「まったく……体を使わせてもらっているお礼としてせっかくお前をゴミ処理場から取り出してやったというのに恩を仇で返さないでくださいよ。あのまま捨てられていたらお前は転生もできずそこらの暗闇の中を漂う運命だったのですから。目を共有してるだけ感謝してくださいね。まぁこちらとしてもこんな素晴らしいものを提供してくださり感謝しております。ですがこのからだおまえを壊すことは簡単だということを肝に銘じておいてくださいね  ふぅ…やっと静かになりましたね。あっ失礼しました……本当に申し訳ない…………怖がらせてしまいましたね…すいませんでした…………」


 僕はどう反応すればいいんだ……というか本当にこの人は一体何なんだ。僕はどうすればいいんだ…?

 あぁぁあぁ…怖い…こわい…コワい…コワイ…………

 いや、落ち着くんだ、もう……そうだよな、手遅れなんだろうな。これは絶対逃げれない。だったら最後の最後まで足掻いてやろうか。

 聞きたいこと教えてもらうまでは死んでたまるか!


「ふふっ、この人は一体何なんだと言われましても最初に言ったではありませんか。まぁ色々ありましたしね。忘れてしまったんでしょう。まぁそんなところも愛おしいのですが、それでは改めて自己紹介と参ります」



「ここはさ迷う者が《かえる》ときまで時を売る怪奇屋でございます。そして私はこの店の店主である《おおがみ》でごさいます。気軽に店主とでもお呼びください。改めてお見知りおきを」

猫烏でございます。特に言うことないので前回の小話を。あの話、最初は登場人物の順番が逆だったのですがこれだと普通だなと思い、今の順番になりました。面白ければ幸いです。

今回、あるゲーム風に言ったらケツイを固めましたね。これからどうなるのか乞うご期待!それでは

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