貴方も同じ目にあっていたかもしれない
カランカラン
貴方を待ってる怪奇屋さん 暇な時にいらっしゃい
貴方をよっぽど気に入らなければ無事に帰れる怪奇屋さん。
……うおっ、えっ待ていつから寝てた。あの後急 に眠くなってそのままか……ガチで最近疲れてんのかな。
んーでも最近なんかしたっけな?全然記憶がない。勉強疲れかなぁ、それとも何か別の理由でもあるのかな?
あっそういえば店主はどこだ?見た感じにいないしお菓子用意してるのかね。
「おや?呼ばれた気がして戻ってきました。店主
でございます。水菓子とお茶持ってきました」
あっいた、……?持っているのは果物だな。水菓子って言うからてっきりわらび餅かなんかかと。
それにしてもすごい美味しそうだ。ブドウかな?赤くてちょっと細長い、なんかあんまり見たことない品種だ。透明な皿にブドウが山盛りなのは見ていてなんか嬉しくなってくる。
「こちらは神紅という品種でして島根県で生み出 された品種となっております。味はまぁ実際に食べてもらったほうが早いでしょう。ささお食べください。あっ、皮ごと食べられますよ」
ガプッ……あっうまっなにこれえっすご。えっ、めっちゃ甘いし皮がシャキシャキしてて食いごたえがある。種もないし食べやすい……えっうま。
「ふふっ、そこまで喜んでいただいて嬉しい限りです」
えっ、心読まれた?なんで分かったんだ。
「いやいや、そこまで露骨に顔に出てると心なんて読まなくても分かりますよ。それでは私もお一ついただきます……うむ、やはり美味しい」
そう言うと店主は口を開けブドウを二つ放り込んだ。
やっぱり狼なんだな。たくさんの歯と犬歯が口の中から覗かせている。
「おやおや、あんまり覗かないでくださいね。少し恥ずかしいので」
あっやべ、恥ずかしいのか。それは申し訳ないことをしたな。
「ふふっ、大丈夫ですよ。あっ、こちらのお茶もお飲みください。さっきの入れたお茶の余りで、そこらで買ったお茶なのでなんの面白みもないですが……」
あー……さっきのお茶か。というかさっきのお茶も淹れたやつじゃなくてただ入れたやつだったのか。
うーん…店主は自分で飲んだことないお茶なのかな?薄いし…まぁ飲むか
ごくっ……あれっ?味があるな?それに僕も飲んだことある味だ。えっ前回のお茶は何だったんだ?間違えて水でも入れたのかね。まぁ美味いしいいか。
「(もう少し疑問持ってほしいですね……)」
あれ?店主何か言ったかな?聞き取れなかった。まぁいいか。
「ごほん……さぁブドウやら食べて休憩したことですし怪奇話が始めましょうか」
始まるみたいだな。にしてもこのブドウ美味しかったな。ここから帰ったら現地に行って食べてみたいな。
いや、今は話に集中しよう。
「今回の物語はある中学校のお話です。それでは参ります」
「今回はある友達から聞いた話です。友達はいつも通り中学校の教室内で昼寝をしていました。その時ある教室で変な事をしているそうです。行ってみると何か声が聞こえてきます」
『こっくりさんしてみよう!先輩もしてるし大丈夫だろ!』
「そんな声がしました。友達も面白そうと思い参加したそうです」
『こっくりさん、こっくりさん、おいでください』
「だが、ただ参加するだけではつまらない……少しいたずらしようと10円玉を動かしてしまいました。急に動いたことにより辺りは騒然としています」
『やばい!動いた!どうする?!』『いや!誰か動かしただろ!』『それよりなんか聞こうぜ!』『『じゃあ誰が聞くー?』』『俺聞くー!』
「まずい……何か聞かれたら何も答えられない、がそう思ったが時すでに遅し。質問が始まりました。友達は占いなんて触ったこともない子だったので適当に動かしたそうです。その質問は明日の晩御飯や授業など、ぶっちゃけどうでもいいことでした。そしてチャイムが鳴り」
『こっくりさん、こっくりさん、どうぞお帰りください』
「これにてこっくりさんは終わり友達もそのまま帰っていきました。 またある日、友人が中学校の屋上で昼寝をしているとある教室に呼ばれ行きました。そこでは」
『…………どうぞおいでください』
「そう、またこっくりさんが行われていました。ここで友人は面白くなって10円玉を動かしました。そこでも質問が始まり、そしてもう終わろう、そんな雰囲気が流れたとき突然ある子供が手を離しました。友人は驚き大変困りました。このままではこっくりさんを終われないし、何より還れない。友人は大変困りひとまずその子供に憑きました。手順を間違えれば命の保証は無い。それが神を呼び出す儀式。それを軽く考え失敗した…その後その学校ではこっくりさんを禁止したそうです。そういえば最近その友人に会って話をしたのですが最近の悩みとして昼寝の時間が減ってるのを愚痴っていましたよ」
「これにてある中学校でのお話を終わります。ご清聴ありがとうございました」
おぉー!こっくりさんかぁ…んー?聞いたことはあるがやったことは無いな。つーことは少し前なのかな?
それにしても神様も昼寝するんだな
「(突っ込むところそこなのですね……なんというか……私が言うのもあれですが危機感大丈夫ですかね?)」
さっきからなにボソボソ言ってんだろ……
あっそうだ。もう話も終わったことだしそろそろ帰ろうかな。ずっとここにいるのもあれだし!
「おや、どうしましたか?あっ、そうだ。実は珍しい本が手に入りまして良かったら見ていきませんか?」
本かぁ…気になりはするけどもうそろそろ帰りたいんだよな……なんて言おうかな。
「はて……?何を考えてると思ったら貴方帰りたいんですか……?まったく楽観的かと思っていましたがまさかここまでとは、さすがに心配になりますよ。」
…………?んえ?なんか変なこと言ったかな。
てか何を考えてる?あれ…?そういやずっと何も喋ってないのになんで会話できてたんだ…?
「いやはや……ここは思考がある程度抑制されるとはいえ、もう少し危機感身につけましょう。心配ですよ。」
えっ……まってどういうことだ?いやまて今の目的はなんだ。そう帰ることだ。もう帰らないと。
「ふふっ、もはや笑ってしまいますよ。もう貴方帰れませんよ」
はい!どうも猫烏でございます。早速ですが前回の小話を…前回の元ネタは皆様ご存知であろう8番出口私はやったことはないのですが皆様はしたことがあるでしょうか?いつかしてみたいものです。
それと今回の話、一回作り直して大変だったのでよければ…評価などしていただけるとモチベに繋がります…よろしくお願いします。それでは