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"ミッション 6人組グループをつくれ"



「しっかし、意外と見つからないものなんだな〜。」

 みうみが呑気にそういう。

「呑気だね、みうみくん。」

 ゆながムスッとしながら言う。

「あれ、あの子、一人だね。」

 俺が遠くを見て言った。

黒い髪のおとなしそうな男の子。

「ほーんとだ。」

「話しかけてみよっか?」

「じゃあ、りつくんお願いね。」

 ゆなに頼まれてしまっては、もう拒否できない。

「わかった。」

 本当、ゆなのリーダー感はすごいと思う。

人を動かす力を持っている。

「あの、君。」

「あ。はい。」

「ひとり、だよね?」

「そうですけど。」

 ちょっとキレ気味で全然おとなしそうじゃない。

「6人グループ作るミッション、、、一緒に組まない?」

「、、、いいですよ。困ってたので。」

 きれいな黒髪は、近くで見るとちょっと紫で染まっていた。

「ゆな、みうみ。」

 俺が呼ぶとゆなとみうみが近づいてくる。

「お名前は?」

「あ。樹里じゅりっていいます。すでに三人いるんですね。ご迷惑かけます。」

 さっきと違って丁寧にゆなとみうみに挨拶する。

「あ、りつです。こっちはゆなとみうみ。」

「りつ、ゆな、みうみ、、、。ありがとうございます。」

 丁寧だけど、かっこいい。ちょっと悪っぽい雰囲気もあって。イケボで。

本格的に歌い手みたいだった。

「敬語とか、やめない?これからグループになるわけだし、、、。ミッションの一貫だし、、、。」

 いつの間にか敬語が抜けたゆなが樹里に話しかける。

「あ、、、くせ、っていうか。まぁ、慣れてきたら抜けると思うんですけどね、、、。」

 樹里が気まずそうに言う。

ちょっと、傷ついた顔で。



その後も順調に、、、とはいかなかった。

メンバーはなかなか見つからず、周りもグループ化してきて一人や二人の子を見つけにくい。すでに3人だとひとり別れないといけない。

「あーあ、いないねぇ。」

 そう、みうみが気だるげに呟いたときだった。

「え、お前、女なの?」

「っ、、、!やめて、ください、、、。」

「女って、参加していいの?コレ。」

「普通にミスじゃない?」

 そんな、声が聞こえてきたのは。

「ち、違うんです、、、僕は、男で、、、。」

「は?お前、コレに女って書いてあるじゃん。」

「"元いじめ被害者(女)www"」

「情報提供ありがたすぎww」

 そんな笑いとともに聞こえるのは否定する、小さな声。

「僕、男ですっ、、!いじめ、られると、、、昔のこと、思い、出して、、、。」

「はぁ?関係ねーだろ。いじめてねーし。」

「とにかくっ、やめて、ください、、、!」

 その子がそういったときだった。

「やめてって、言ってますよ?そろそろやめたらどうですか?」

「、お前、なんだよ。」

「元アイドルバックダンサーって言ったら、驚きますかね?」

「、、、!すいませんでしたー!」

 いじめてた奴らがとっさに逃げていく。

「大丈夫?」

 と駆け寄る自称元アイドルバックダンサー(仮)さん。

それを見ていた樹里が驚愕の顔をして

「俺もいかなきゃ。」

 といった。

突然のことによくわかってないようなゆなとみうみ。

なんでかわからないけど、俺もいかなきゃ行けない気がして、俺も樹里と一緒に駆け出す。

「大丈夫??」

 俺が声を掛けるとその子達2人が安堵したように息を吐く。

「怖かった、です、、、。」

「名前は?」

「つくねです。」

  "つくね"と名乗るのはいじめっ子の間に入った男の子。

「僕はちぃです。」

 "ちぃ"と名乗るのはいじめられてた子だ。

「怪我とかは?」

「ないです。心配ありがとうございます。」

 ちぃがそういう。

「良かった、。僕、助けてあげられたんですね。あー、嘘ってこういうときに役に立つんだ。」

「、、、、え?」

「あ、、、元アイドルバックダンサーなんて嘘なんですよね。そういうのに弱いので。ただアイドルをけなしに来てる人ってすっごい嫌いなんでついカッとなっちゃうんですよ。」

 つくねの目は強く、決心がついていた。

「助けてくれて、ありがとうございます、つくねくん。」

「そんな、、!っていうか、僕って毒舌っていうか、、、。アイドルになるにも毒舌天使をやろうと思ってて、、、君とはなんだか気が合いそうだなって思ってたんですけど、、、ちぃくんって、なんだかすっごい元気な気がします。」

「、そう、かな?でも、そう思ってくれたなら嬉しいです〜!僕、明るい子になりたくて!」

「どっちでも、良いと思いますけどね。」

 そんな天使を目指すつくねと、明るい子になりたいちぃが6人組メンバーに加入して、いつの間にかミッションを達成していた。

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