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一話目です
「みんな〜!こんばんわー!」
俺の元気な声。早く動きはじめるチャット欄。たくさんの"こんばんわ"と"わこつです"と"ありがとう"。毎回同じ言葉を何回でも言ってくれる。そんなみんなのために、頑張りたいと思う。
そんな、この空間の全てが好きだった。
「りつだよー!みんなー!今日はなんの日か知ってる〜!?」
ユメミライの黄色担当りつ。
それが僕だ。
「"なんの日?"さぁ~、なんの日でしょーか?"何かの記念日?"お?"初めてのオリ曲から一年の日じゃないですか?"おー!せーかーい!もう一年かーって感じだけどね。今日はなんと初のオリ曲〔りーちゅ!〕の投稿記念日なんですよー。」
画面越しのリスナーさんの笑顔が見えてくるようで、こっちも笑顔になる。
「"おめでとうございます!"ありがとー!__今日はりーちゅ!一年記念で、そのあと3曲くらい投稿してきましたけど、なんと、今週末に!?、、、まぁ、お楽しみに、ということで!今日はこんな企画やっていきます!失敗するたびにセリフを言う!?音ゲー実況ー!やってきまーす!!」
音ゲーは得意だ。
大好きだった“あの子”がよくやっていたから。
よくよく考えれば、“あの子”のおかげで今の俺がいる。
なんて、昔の話。
「〜〜〜ということで、ありがとうございました〜!いやー、久しぶりに音ゲー楽しかったー!"音ゲー実況そんなにやってたっけ?"んー、あんまないかも。俺、ちっちゃい頃音ゲーよくやってたんだよねー。"そうなんだ!""意外かもw"えー?意外かなー?実はね、音ゲーが得意な友達がいたんだけど、俺、全然その子に勝てなくて。めっちゃ練習してたっていうエピソードがあるんですよ。"なにそれかわいー!"え?ありがとー。」
音ゲーが終わってたくさんの子のコメントを読みながら返す、雑談タイム。
「"初見です"初見さんいらっしゃーい。あ、雑談タイムのルールの説明してなかったね!雑談タイムは、ゲームが終わってからの雑談する時間なんだけど、ルールがあって、1!リスナーさん同士で会話しないでほしい。これは、俺だけと話してほしい、、、っていうか。喧嘩の種とかになっちゃったりもするから、やめてね。2!アンチにはいちいち反応しないこと!あとで全部スタッフさんから注意が行くから嫌だと思っても反応しないでね。こっちで対応するから!3!お名前呼びタイムもあって、名前読んでほしい子はスーパーチャットっていう、お金がかかるチャット略してスパチャって呼ぶんだけど、それをしてくれたら必ずお名前呼びします!あとは、時々名前に反応したりとか。あとは質問とか、「今日誕生日です」っていうチャットにはなるべく反応するようにしてます!、、、て感じかな?ね、みんな。」
みんなは「そうですね」と答えてくれる。
雑談タイムの前に必ず取るのがルールの確認。
初見さんもいるし、何回も見ている子はわかってくれていると思うけど、復習で言うようにしている。絶対ルールは守ってほしいし、みんなのことは大好きだから、傷ついてほしくない、という配慮からである。
「そうだ!お知らせ忘れてた!今週末にね、また新しいオリ曲投稿しちゃいます!曲名は"莉都"です。有名なあのひとに描き下ろしてもらった曲なんだけど、実はちょっと俺が作詞してたりしてます。歌詞を見ればわかると思うんだけど、ちょっとさみしい恋の歌っていうか。女の子の主人公の悲恋が描かれている歌です。"うわー!嬉しいです!"ありがとう。楽しみにしててね!___うー、なんかお腹空いてきたかもー!"ご飯食べました?"実はね、まだなの。隣りにあるんだけどね、、、冷凍グラタン。"美味しいですよね"わかる!"りつくん好きです"え、告白??俺も好きー!、もちろん、みんな大好きだよ。画面の前の君が一番!、、、てことも、ないような、、、。"え?泣く。"泣くwww俺が好きなのは、ユメミライのみんなだよ。でもやっぱ君が一番かな。"りつくん、活動を始めたきっかけを教えてください"えーと、それは長くなっちゃうから、今度動画で出そうかな!」
なんて、はぐらかすけど本当は、言ったら思いが溢れて止まらなくなりそうで怖いだけ。
読んでくださってありがとうございます!
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