表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/31

第25話「誰が為に在る拳」

 俺は皇成に一気に近づき、懐に入り込む。そして腹に一撃を入れようとしたが、皇成が後ろに飛び退き躱されてしまう。


 俺が拳を振りかざした後の一瞬の隙をついて皇成は足元に蹴りを入れてきた。その蹴りに俺はよろけ、さらに殴られて追い打ちをかけられてしまう。


 俺は後ろに後退り、一旦体勢を整える。


「なかなかやるじゃねぇか」


 皇成はそう口を開いた。


「お前こそな、思った以上だ」


 そう軽口を叩き合うと再び戦闘態勢に入る。


 今度は皇成が素早く近づいてきた。


 俺は真正面に立ち、皇成が振りかざしてきた拳を後ろに体を逸らしながら避けた。それと同時に左足を軸にして蹴りを繰り出した。


 予想外の所からの攻撃だったからか、皇成はバランスを崩す。


 そこを見逃さずしっかりとアッパーを喰らわせた。


 皇成は体が少し上に上がり、攻撃ができない状態だろうと思っていたがその体勢から俺に向かって右足を蹴り上げてきた。


 すんでのところで蹴りを躱し、後ろへ後ずさる。


「お前は警察に捕まるのが怖くないのかよ」


 一旦お互い体勢を整えたところでそう尋ねる。


「怖かねぇさ、あの時の出来事に比べりゃな」


 そう言って皇成は遠くを見つめた。


 あの時の出来事ってのを聞くのは野暮ってもんか。


「そうか」

「まぁ今は関係ねぇことさ!」


 そしてまた俺たちは殴り合いを始める。


 今回も皇成から近づいてきた。


 皇成も低い姿勢だったが俺もさらに低い姿勢になって勢いよく懐に入り込む。そしてその勢いのままタックルを喰らわせる。


「かはっ……!」


 後方に吹き飛ばされた皇成はあらゆる物に当たり皇成は初めて呻いた。


「やるなぁ…」

「まだまだ」


 皇成は起き上がり再び俺らは睨み合う。


「負ける気はねぇからな」

「こっちのセリフだ」


 そして今度は俺から近づく。


 皇成の拳を首を倒して避け、その勢いでそのまま腕は首にかけ右足は皇成の右足の後ろにかけ、皇成の体を倒す。


 だが皇成はバランスを保ち、倒れなかった。


 その後すぐに皇成は俺を突き飛ばし、体勢を整えた。


「次で決める。お前ら2人とも死ね」


 そして皇成は段々とスピードを早くして俺に近づいてきた。


 そして大きく振りかぶっての一撃、予備動作が大きいため今後ろに飛び退けば簡単に避けれる。…が、俺は動かなかった。


 迫り来る皇成の拳を真正面に顔で受けた。


 どごっ…!!と鈍い音が響く。


 鼻からは血が伝わる独特の感覚がする。


 皇成はここにきて初めて困惑の表情を浮かべた。


「行くぞ皇成」


 そう言って俺も腕を大きく大きく振りかぶる。


 予備動作が大きいため皇成は俺の拳から守る準備はできていた。


 だが俺はその守りの間を縫い、皇成の顔面に直接一撃を喰らわせた。


 その勢いで後ろに吹っ飛び皇成はへたり、と倒れ込んだ。


「なん…で……?」


 なぜ自分が倒れているのか理解ができていない様子の皇成に向かってゆっくりと息を吸ってから告げる。


「いいか久王皇成・・・・、よく聞いとけ」


 そこで俺は一呼吸置き、語気を強めて再び言う。


「誰かを傷つける拳なんて痛くも痒くもねぇんだよ!そんなもの(誰かを傷つける拳)よりもなぁ!誰かを守るためにある拳の方が何百倍も何千倍も強いんだよ!!!」


 その言葉を聞き終えた後皇成はがくりと首を落とし意識を失った————

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ