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第18話「転機」

「行ってきまーす」

「行ってらっしゃい、菜乃華」


 私は母に送り出してもらい中学校へ向かう。


 学校までの道のりは長いが、途中から友達と合流すると気だるさよりも楽しさが勝つ。


「ねぇねぇ菜乃華、昨日のNステ見た??」

「うん!めっちゃ良かったよね!」


 そんな他愛もない会話をしながら学校へ向かう。


「おはよ菜乃華!」

「うん、おはよ!」


 教室に入った途端複数の女子から挨拶をされる。


 幸いなことに私は友達に恵まれていた。


 自分で言うのはちょっぴり恥ずかしいけど周りの友達が言うには私はモテているらしい。


 それもホントかどうかは分からないけど。


 平穏で優しい日々が私の日常だった。


 でも、そんな日常もある時を境にジェットコースターのように盛んな日々になった。


 平穏な日々は離れていって、心模様が忙しない日々が私の日常になっていった。


 その理由は、一つ下の後輩にあったのだ——


♦︎♢♢♦︎


「はぁ、はぁ、はぁ」


 私は体育の授業に遅れそうで廊下を全力ダッシュする。


 もう少しスピードをあげよう、そう思った瞬間足がなにかに当たり私はつまずいた。


 倒れるっっ!!


 そう思って目を瞑った。


 でも一向に体は地面に叩きつけられなかった。


 その代わり私をふわっと支えてくれるものの感覚があった。


「っ……?」


 恐る恐る目を開けるとそこにはある1人の少年がいた。


「大丈夫ですか?」


 その少年は私に無事かを確認してきた。


「はい……」


 その少年はどこかあどけなさが抜けておらず、恐らく中一だろう。


「良かった…先輩、気を付けてくださいね」


 そう微笑んで私を起こしてくれる姿はさながらラブコメ漫画に出てくる主人公のように感じられた。


「ねぇ君、何年生?名前…なんて言うの?」


 私はその少年の名前が知りたく……いや、体が反射的に名前を聞いていた。


「え?あぁ、俺は1年の七瀬渚沙と言います」


 少年は自らの名前を渚沙と名乗った。


 私はその名前をしっかりと噛み締めた。


「そっか、なぎさ……ありがと」


 そう言って私は少年の前から去っていった。


 冬で寒いはずなのに何故か体は暖かく頬が熱かった。


「また、会えたらいいな」


 周りに誰もいない場所で私は一人呟くのだった。


♦︎♢♢♦︎


 でもそんな私のちっぽけな思いはすぐに砕かれてしまった。


 聞くところによるとなぎさには7人の幼なじみがいて、その幼なじみ達と常に一緒にいるらしい。


 残念ながら私の入る隙間は1ミリたりとも無かった。


 ただ私は遠くからなぎさを眺めているだけのエキストラAになってしまったのだ。


 その後も会ったら会釈して少し話す程度の関係性は保っていたが幼なじみ達には遠く及ばなかった。


 そんなパッとしない日々を過ごし、私が中3、なぎさが中2になった時に転機が訪れた。


 それは互いにとって最悪の結果を辿ることになったのだった————

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