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カイロ持ってたら英雄

11月30日。2022人目の秋が死んだ。まだまだ秋装いの僕を嘲るように、冷たい風がふく。太陽は文字通り雲隠れをしたようで、もう昼過ぎだというのに、天神はどんよりと腰を曲げている。道行く人は皆、ポケットに手を突っ込んで、前のめりでせかせか足を動かす。今この場で、カイロなんか配りはじめたらヒーローになるかもなー。そうぼんやり考えるも、僕のポケットも空である。先の人らに倣って、前のめりになって足を動かす。意味はちょっと違うのに、師走という単語が浮かんだ。働き口すら決まってないのに、僕は年末なにに奔走するのだろう。師よ、教えて下さい。

のほほんと生きている僕にとって、忙しない季節なんか嫌いだ。そもそも寒いのが大嫌いだ。オーストラリアのサンタクロースは、サーフィンをエンジョイしながらプレゼントを寄越すそうじゃないか。日本のサンタもそうしろよ。今どき煙突飛行ネットワークなんてマグルの家にはないんだよ。

用事を終えて家に帰ると、服を着替えるや否やすぐに寝てしまっていた。小一時間ほど寝ていただろうか。夢のなかで師が僕に教えてくれた。師曰く、「秋は短し捕らえよ乙女。」

もう遅いよ。秋は昨日死んじゃったから。12月のお化けが枕元に来てたから、抱きしめて二度寝した。お化けの身体はひんやりと心地良い。

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