第二話~フラグ回収~
目を覚ますとお昼を過ぎていた。別に遅刻というわけではない、今日は日曜日だから一日中ダラダラできる。ベットの上でボーッとしているとぐぅーーとお腹が鳴った。
「なんか食べよ」
ベットから降り、顔を洗うために洗面所へと向かい鏡の前に立ち顔を洗う。前を見ると鏡には美少女が写っていた。突然、美少女になったわけじゃないよ?私はもともとこの顔だし。自分で言うのもなんだが私の顔は惚れ惚れするほどの美少女っぷりだと思う。
きめ細やかな白い肌、真っ直ぐに伸びた鼻筋、どこか強い意志を感じる瞳、少し長めで背中あたりまで伸ばした髪。日本人らしい黒髪。身長も165程度と少々高めだ。
両親は別に顔立ちが整ってたわけでもないし、親戚も美形ではない。突然変異みたいなものかなと勝手に解釈している。まぁ、この顔のせいで色々と面倒事が多いので高校からは友達と離れて遠くの学校に通い、地味な黒縁のメガネをかけて陰キャとして生活している。まぁ元々陰キャっぽいとこあったし、それにゲーム友達もいるから寂しくはない。ないったらない。誰に言ってるんだ私は、早く何か食べよ。
「ていってもなにもないんだけどなぁ、どうしよ?外出たくないなぁ」
と、愚痴を垂れても食べ物は出てこないのでコンビニに出かける。後メガネも忘れずに。
「寒っ!」
もう少しで高校2年目の冬休みに入ろうかという時期なので寒いのは当たり前だけど今日は一段と寒い。
「さっさと行ってさっさと帰って来よ」
少し早歩きでコンビニへと向かう途中、暇なのでブルークに言われたHWOとやらでも見てみようかとネットを開く。
「へぇ、アラタキが出してるんだ。こういうファンタジー系のゲームはあんまりやったことないしなー。ていうかブルークこういうのやるんだ。……まぁそりゃそうか、プロだもんね」
とか考えてるうちにコンビニについた、目についた適当な弁当とお茶を持ってレジに向かう。その途中いけすかないブルークの顔が見えた。まぁ雑誌なんだけど。世間からのブルークの評価は好青年でイケメン、ゲームも上手くてプロゲーマーといえばこの人!という感じだ。
「猫被っちゃって」
あいつの本性を知ったらファンの人たち気絶するんじゃなかろうか。まぁそんなことは置いといて、HWOだっけ?
「私がやることはないかな。レジェンドがあればゲームに困ることはないだろうし」
レジェンドができなくなるなら話は別だけど。
そう、そんな、日常が、当たり前だと思っていました。ゲームができることが当たり前だと。
「さ、サービス、しゅう、りょ、う?」
レジェンドを開いてすぐ目に入ったのはその文だった。いつもならゲームを開くとキャラ達が横一列に並んだ画面が出るはずなのに今日だけは違った。質素な白い壁紙にサービス終了のお知らせとその理由だけが淡々とかかれていた。
なんでもゲーム会社がプレイヤーの個人情報を売って儲けようとしたそうだ。そうだ、というのもプレイヤーのデータバンクにハッキングをした時点で警備AIが気付き通報、事なきを得たそうだが、実際、プレイヤーのデータバンクにはキャラクター作成の時に、頭につけたグローヴァによるスキャンで顔の造形から体格まで全ての情報が保管されているため、漏洩なんてしようものなら……考えただけでも恐ろしい。
ていうか、、
「フラグ回収早すぎ……」