表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
998/1157

本当に、仲良しだな

 大変遅くなりました。

 申し訳ない。

 事情聴取と称してアレゴロウに色々と話を聞いた所、勘当され、自分の国(ファルトヘルト)からの追放を言い渡されて、さて、どうしようと思ってた所、旅の商人の話で、家の国(デストネーチェ)辺境伯(オーサキ)領が今一番熱いと言う話を聞き、俺の領地へと向かったのだそうな。


 この所、色々とやってたからな。イベント。区画整理とか大会とか。そうか、隣国で噂される位に話題に成ってたか。

 プロモーションとしては正しく広がってたって事だな。その辺、さすがだよなエクスシーア。長年、商会を率いてたのは、伊達じゃねぇわ。


 で、この時の、自国から家の国への旅費とかはどうしたのかと思ったんだが、流石にそこは無一文で家を放り出された訳でもなかったそうで、家の領地に来る位の旅費は充分にあったらしい。

 まぁ、不祥事起こしたって言っても、そこは自身の息子だしなぁ。普通の感性してれば、その位の情はあるわな。


 ……俺の時はなぁ。色々となぁ。

 まぁ、良いや。俺の時とは事情も背景も違ってる訳だしさ。

 そんな風に思ってアレゴロウの顔をまじまじと見ていたら、事情聴取に同席していたスターリンが唐突に俺とアレゴロウの間に身を乗り出し宣言をした。


「オレとアッシュは、言わば運命の敵対者(ライバル)! 決して交わる事の無い宿命の旅人(デスティニー)!!」

「うん、意味分からん」


 まぁ、言いたい事は理解出来るが、分かりたくはない。

 お国元じゃあ、一人の女取り合ってたっぽいから、ライバル関係だっただろうし、『ここで顔つき合わせてる時点で、交わっちまってるやん』って正論をされたい訳じゃ無かろう。


 それ以前に『アッシュ』ってぇ愛称で呼んでるじゃん。仲良いよね、君たち。


「ああ、僕もスーリとはいつか決着を付けなきゃいけないとは思ってたんだよね」


 と思ってたら、アレゴロウの方も何か言い出すし。いや、おまいも愛称で呼んでるやん。それは良いんだけど、コイツの罪を確定させんとあかんのよ。

 自国の人間じゃ無いけど他国と言って良いかどうか。どっちかって言うと流民に近いのか?

 行った事はギルドでの喧嘩と貴族(おれ)に対する不敬かぁ。


 喧嘩に関しては、被害者側からの訴えは出ちゃ居ないが、ぶっちゃけ現行犯だし、それは不敬罪も同じ。ただ、不敬罪については乗っ取りとも取れる発言もしてるってのがな。


「残念だがアッシュ、オレは以前のオレの次元を超えてしまった。そう、この領地に来てからな!!」

「なん、だって……」


 もう捕まえては居るし、散々いたぶったから、もう、百叩きの上、市中引き回しで良いかな?


「いや、それ程変わった様には見えないな。それに聞いたよ? 君、妹さんに乱暴を働いたんだって? 許されないよね? 許されないだろ? そんな罪人は、僕に叩きのめされるべきなんだ!!」

「クッ、確かにそれは許されざる(シン)だった。そう、罪人(とがびと)たるオレは、だがっ!! リーンカネーションし(生まれ変わっ)たのだ!! そう、シン・スターリンとしてっ!! そして、だからこそ手に入れられた力でもある!! 生まれ変われたからこそ、新たなる力(プロレス)を身に付け、今は、その罪を興行し(つぐなっ)て居るんだ!!」

「は!! 新たな力を手に入れたのは僕だってそうさ、その力は君にだって負けていないよ!」

「フッ! その割には、アッサリ負けたって聞いたよ? トールさん(コーチ)に」

「少し、油断していただけさ。確かに彼は、少しは()()ようだけれど、僕は、ほら、長旅で疲れていたし? その前に冒険者連中とやっていて体力も使い果たしていたし?」

「ハッ! 口だけは立派だな、相変わらず」

「何をっ!!」

「何だよっ!!」

「は?」

「ああ?」


 煩いよ!! おまいらっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ