面通しをして見た
ここまでで限界でした。
申し訳ない。
地下牢に入れられていたアレゴロウを見たスターリンが大爆笑をして居る。
お前、あれだからな? お前も人のこと言えないやらかし仕出かしてんだからな?
コイツ等ね、同郷な挙げ句、件の悪役令嬢関連のざまぁされメイトだったわ。聞いてる限り被害者っちゃ被害者ではあるんだろうけど、低位の貴族令嬢にしてやられて色々やらかした上に、アレゴロウの方は知れんけど、スターリンの方については、薬の後遺症の所為も有ったんだろうけど、妹含めたご令嬢を襲いかけたらしいからなぁ。まぁ、今は家の領地でプロレスラーをやってる訳なんだが。
「騎士団長の令息が、何と情けの無い事だ!! 勘当させられ、追放されたと聞いたが、隣国に逃げ込むとは、何と情けの無い!!」
いや、おまいだって厄介払いで送られてるやん。
「五月蝿いなぁ、“元”令息だよ。今の僕は只のアレクサンドリアだからね!! もはや騎士団なんて関係ないよ!!」
只のアレクサンドリアって、ある意味当たり前の事なんだが、何かえらいパワーワードっぽいな。てか、そうか。元騎士団子息か。
「その割には素手喧嘩なんな」
「剣は、もう捨てたからね、馬を降りた後からの組み討ちメインかな? 使うのは」
それで、あれか。成程、素養は有ったってぇ事かな? 騎士団子息ってぇ事は、恐らく子供の頃から訓練はさせられてただろうが、その上で、体力作り的な地味な練習はサボってたってぇ事かね。
折角、良い環境が有ったってのに、もったいない事を。
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例え、知り合いの知り合いってぇ事でも、バカやったんは確かで、実際、冒険者達が被害にあってるんで、恩赦をやるってぇ訳にはいかんのよね。もっとも、冒険者連中からの被害届みたいなのは出て無いんだが、それでも“俺”が目撃しちまってる以上、『無かった』ってぇ事にはできない。
「思い込みの強い奴で、その上で、昔から神童扱いをされてた事も有って、少々自己中心的と言うか自分に都合の良い様に物事を考える様な奴なのですよ」
「うん、良く知ってる」
何せ、『自分に領地を寄こせ』とか言ってくる様な阿保ゥだしな。
てか、“元”貴族ってのは当たってたが、まさか隣国のだとか思わんかったわ。普通、余所の国の領地とか、貰えると思うかね?
いや、確かに、勘当させられ追放されたんなら、その国の貴族ってぇ訳じゃ無いんだろうが、むしろ平民寄りだよね?




