着々と準備を進める
遅くなりました。
申し訳ない。
音楽祭は、人を集める所からやると成ると、やはり準備期間として半年は欲しいんだそうな。
まぁ、サロンの音楽会の延長だとは言え、こっちの我儘で市民参加型ってぇ形にしてもらってるしな。
ソレとは別に、街の人間に音楽ってか楽器に馴染んで貰う為に、ちょこちょことミニコンサートのような物を開いたりする計画を立てた。
後、言い出しっぺなドワーフ達に依頼して、街のそこかしこにスピーカーを設置。
件の送受信機の音声関係の機構を利用して、応用して、野外でも使える頑丈なやつをなぁ。
未だに電気を使ってない構造が、俺には謎なんだが、要は前世の電気関係を魔力に置き換えたものってぇ認識で、大体合ってるっぽい。まぁ、スピーカーとかマイクとかはまだ、基本構造は簡単では有るしな。
それで何をやるかと言えば、まぁ、町内放送な訳だけど。こう、一日中音楽でも流せんかな? と。やっぱり人間、身近に有る物の方が親しみを感じやすいし、音楽とかって、繰り返し流れてると耳に残るじゃん? それで鼻歌うたうレベルにまで浸透してくれれば良いなと。
まぁ、緊急時にはちゃんと放送をしますともさ。魔族が襲って来り、邪神が襲撃して来たりした時に。
『【嘆息】対象が大き過ぎデス。魔物が襲って来た時とか、街道の安全についての連絡とかでも良いと思うデス』
「そうね」
むしろ町内放送だってんなら、そっちが主題だろうな。何と言うか、むしろラジオ放送って位のつもりで居たわ。
「それよりも、ジャンヌ君、君にやって貰いたい事が有る」
『【警戒】……何をデス? アドミニストレーター。アドミニストレーターは時折、酷く無茶を振ってくるのデス』
「ハッハッハッハ、そんなに警戒しないでくれたまえ、ジャンヌ君。音楽専用の領域を作ってくれんかね? なる早で」
TCGのクリーチャーやエフェクトのアニメーション専用で専用領域を作ってそこにストックできるのなら、音楽専用のソレも作れんかと思ったんよね。
毎日音楽を流すとしても、生演奏を1日何度も繰り返すってぇ訳にも行かんだろうし、そもそも、今の所楽器を使える事が分かってる人員も少なすぎる。
オーケストラだったら、以前マトスンが作った全自動演奏機も有るけど、あれだってゼンマイ動力である以上、ソレを巻かないと動き続けるってぇ事は出来ないし、あれ、音楽のレパートリーってぇ意味だと、それ程多くないからなぁ。
それに、今から録音機の様な物を作るとなると、それも時間が掛かるだろうから、その開発の方はしてて貰うとしたって、それまでの間も音楽は必要な訳だし。
『【思案】出来なくはないデス。でも、あれも入力時と出力時に人手が居るデス』
「そこは素直に人を雇うさ」
出力時の人員を何人か確保しておく必要は有るだろうけど入力はジャンヌにメインでやって貰う事に成ると思う。
正直、録音機が出来るまでのつなぎ的に考えてるから、ストック数自体はそんなに多くなくても構わんのよね。
『【思案】まぁ、既にあるものの応用なのデス。それ程時間はかからないのデス』
「うん、よろしく頼むわ」
なんだかんだ言っても、高性能ではあるんよね聖武器達って。




