目的と手段が違うんだろう
本当に、昼間の執筆時間が取れません。
遅くなって申し訳ない。
「先ずは酒だな。次に酒精。ツマミがあれは尚良い」
「却下だ阿呆ぅ」
『直接、使って欲しいって言うんは駄目なんか?』っ言う俺の質問に、『いや、絶対に必要ってモンでもねぇのに、使ってくれだなんてさぁ、ほら、恥ずかしいじゃねぇか』とかって反応。厳つい顔のオッサンが頬赤らめてモジモジしてるとか、誰得よ。少なくとも、俺はノーサンキューだわ。
そもそも羞恥の基準が分からん。
兎も角、必要でもない物の押し売りは駄目らしい。ドワーフ的に。
必要だと思われてこその道具だってのは、言わんとする所は分からんでもないが、いや、何と言うか、面倒臭いなぁマジで。
取り敢えず、俺が主催じゃ問題有るからって事で、ユリウスには『自分達で概要だけでも良いから、企画造ってくれ』と言ったら、『ワシ等に出来るかそんなもん!!』とかって謎の逆ギレかまされた。
仕方ないんで、企画そのものの概要を作るのは誰かに頼むとして、『おまいらの考える、大音楽祭に必要なものって何?』ってぇ事で話を聞いたら、この低たらく。
真っ先に挙がるのが酒って、ある意味、らしいっちゃ、らしいが、楽器奏でるのに酒は必須じゃぁ無いだろうよ。
「音楽祭なんだろ? 必要なのは楽器とその演じ手じゃぁ無いんか!?」
「あん? 音楽をツマミにするんだから、酒は必須だろうがい!!」
て、聴く方専門かよ!!
いや、何だろう、それはそれで間違っちゃ居ない感がある。そうなんだよ、ドワーフ達は、別に自分達が楽器を演奏するとかってのが目的じゃぁ無いんだったわ。
あくまで『音楽を聴く』ってのは主目的じゃぁない。コイツ等の目的ってのは自分達の作った楽器を使って貰うってのが主目的で、その為の大音楽祭なんだったわ。
なら、大音楽祭ってのは、あくまで“楽器を演奏する場”として必要なだけであって、その場さえ出来ちまえば、ドワーフ達の目的は達成されっちまう事に成る。
そうなれば、後は音楽をツマミに酒盛りする位しかやる事は無いんだろうな。
「だとしても却下だ」
「何でだっ!!」
酒盛りのBGMってのも楽しんでやれる奴ってのは確かに居るだろう。だが、酒盛りは酒盛りでしかない。どれ程、音楽が演奏されていたとしても、そこにある主体は飲み会の方だ。
大音楽祭と銘打っている以上、その主体は音楽でなくてはいけないだろうさ。ならば、当然、その主体をブレさせちまう酒盛りなんぞ、させる訳にゃいかんだろうよ。第一、真面目に演奏してる奴らの目の前で、酒飲んで騒いてる様な輩が居たら、迷惑以外の何物でもない。
そもそもの話、ドワーフ連中にとって、“使って貰う”ってのが主目的だとすれば、音楽祭自体、既に目的を達成した後の事なんだから、使われてる所を見るってぇ事位の興味はあったとしても、演奏されてる内容その物には大して興味も湧かんのだろう。
成程、『大音楽祭』自体はして貰いたいとは思っても、その主催をしようとは思わん訳だ。




