人を超えると超人だが、人から外れると人外に
本当に遅くなりました。
申し訳ない。
頭の中で構想が纏まってる時と、纏まり切ってない時の、執筆時のスピードが違い過ぎて、どうした物か……
ハラハラと感涙を流していたヘンリエッタ王女が正気に戻り、恥ずかしそうに身繕いを整える。その後ろで、ミカとバラキも、何かお互いをなめ合って身繕いをしてるけど、いや、何で? まぁ、良いけど。
その逆と言って良いのかクッ殺さんが俺を睨んで来る。ヘンリエッタ王女が好きすぎるのは分かるけど、その敬愛すべき主人が『好ましい』と思った者に嫉妬心を隠そうとしないのは、マイナスにしか成らんと思うんだが? もしこの事でヘンリエッタ王女が、マリエルをしかりつけると、その事も逆恨みするって言う悪循環が発生するって言うね。こう言う負のスパイラルを作りたくて魔族ってのは暗躍するみたいだから、利用される前に何とかしたい所なんだが、こればっかりはマリエル本人の意識の問題なのがなぁ。
『【提言】何時もの様に、折ってしまえば良いかと愚考します』
何と言うか絶対的な敵対とか、そもそも性格の根本から矯正しなけりゃ救い様もないってのなら兎も角、嫉妬心以外は特に問題の無い相手を折るってのは気が引けるんよね。それやると、少なからず性格に影響出ちまうし。
少なくとも、俺は今のマリエルの性格って方向では好ましくは思ってるんで、それが損なわれる様な事はちょっとね。
『【思案】では、出会ったばかりの時の私は……』
「うん?」
『【否定】何でもありませんっ! マイマスターッ!!!!』
「あ、うん」
いや、まぁ、その辺りの事については俺も若気の至りっぽい部分があるから、何とも言い難いんだが。
それはそれとして、ヘンリエッタ王女様の方は、何かスッキリした様子の笑みを浮かべて俺の方へと歩みを進めて来た。
「私、進むべき方向が見えた気が致します。それと……」
何でか言い淀むヘンリエッタ王女に俺が首を傾げていると、おもむろに王女が口を開いた。
「ご神託が下されました!! 『トールきゅんもそのステージまで来てくれたのねっ! あたしの所までもうちょっとだから、早く迎えに来てねっ!!』との事です」
「ふにゃぁっっ!! 今ちょうど、ウチとの釣り合いが取れてるところなんニャ!! ラブラブなんニャ!! このまま二人で世界をラブアンドピースで埋め尽くすのニャァ!!!!」
……取り敢えずラブラブではない。他にもツッコみたい所だが。
成程、光の女神が俺と言う存在に目を付けたのは、現人神と成れる潜在能力を有してたが故か。そしてバストが俺を見初めたのも、前に言ってた感情が云々と言う理由もあるが、【格】としてのつり合いが取れるからってぇ事なんな。
理解は出来たが納得なぞせんぞ? 俺は俺のやりたいようにしかやらんし、具体的に言えば、俺の家族達と楽しく緩やかに生きるのだよ!!
女神とか精霊の干渉とかって、正直、鬱陶しいとか思うんだ。いや、干渉されても、それで平穏に暮らせるなら構わんが、今の所厄介事の方が大きそうなのがさぁ。いやマジで勘弁して欲しい。




