検証してみた
遅くなりました。
申し訳無い。
「あぁ……! 神よっ!」
「ヘンリエッタ様が、こんなに感激をしてっ!! クッ殺せ!!」
何でだよ。喜んでるってんなら、それで良いじゃんよ。何でおまいが悔しがるか。
何か感激して地面に膝をつくヘンリエッタ王女と、それを見て同じく膝をつく女騎士。
似た者主従か。
「あおん!」
「わん? わおん!」
『【当然】マイマスターなら、当然ですね。ですが武器として、私もさらなる進化が必要な様です。武器としてっ!!』
ミカとバラキが興奮して走り回って、ファティマは……ウンウンと頷きながらも何か決意を固めてるな。まぁ、言わんとせんとしてる事は分からんでもない。
「ウニャァ! 凄いのニャ! 大っきいのニャ!! 生命力の塊なのニャ!! ステキなのニャ!! ステキヘクトパスカルなのニャァ!!」
コイツはコイツで意味がわからん。
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さてさて、結果から言えば、【闘神化】は問題無く出来たよ。
まぁ、出来る様にする為に、日頃の鍛錬を欠かさなかった訳だから、順当っちゃ順当で、必然っちゃ必然なんだろうけんどもさ。
闘神なんて言う呼称だし、実際、高い戦闘力を有してるから、発動する時に、こう、闘志ぃだとか戦意ぃだとかが必要かとも思ったんだが、そう言うの、必要無かったっぽいやね。
よくよく考えれば、そもそも【プラーナ】ってのが、生命力の根幹であり、人の使える力の源流であり、【マナ】やら【オド】やらをこの世界に引き出す為の触媒でもあるエネルギーな訳で、過去に闘神やら闘神の化身と思われた人達ってのは【プラーナ使い】でしかない訳なんだから、闘志だとか戦意だとかって物は、そもそも関係ない能力だったんだわ。
結局の所、【プラーナ】を加速濃縮純化させて【プラーナオリジン】にまで高め、それを魔力装甲として纏うってのが【闘神化】の骨子で、その時に、単なる『装甲』としてではなく、パワードスーツとしてのソレを意識して、内部のアクチュエータまでイメージした方が、動き易くなる。
言わば、【魔動装甲】とでも言う形で纏った方がやり易いって所が、コツちゃコツに成るんかね?
マスタースレイブ方式で動く、パワードスーツの延長とも言える巨神として顕現するソレは、詰まりは物質化する状態にまで凝縮された【プラーナオリジン】によって形作られたデウスエクスマキナな訳だ。
赤褐色の外装に、駆動分割する外面装甲のスリットからは迸る赤色光。全長は16m近く有り、各所には【プラーナ】を噴出する噴出孔を備え、最大火力を誇る二門の背部キャノン砲を所持している。
キャノン砲とは言っているけど、肩に担ぐ形ではなく腕の下の方からスウィングして出て来るのは、まぁ、俺のイメージに由る所が大きいか。
で、このキャノン砲については、空間が歪む程の威力を発揮する主武装な訳だが、威力が強すぎて早々使うってぇ訳にも行かんのがなぁ。
しかもそれ以外は、俺が想定してなかったからか、徒手空拳に成ると言うね。
そして【闘神化】で消費する【プラーナ】の量が結構膨大で、他人より圧倒的な保有量を誇れる俺でさえ、10分程度しか保たんのよね。
まぁ、今まで、【闘神化】した後、10分も戦闘継続した事無いんだけんども。




