そう成ったらしい
取り敢えず、様々な技を教える講義の様な物は、どちらの軍団も同じ時間に合同で行う事にして、その後の研究や鍛錬は、それぞれでして貰う事にした。
うん。それぞれの軍団。
なんか、お互い対抗意識持ってるのか、合同での講習はするけど、一緒に鍛錬はしたくないらしいんよ。で、それぞれで有志を集めた感じ。
まぁ、ある意味、何もする事のないファルトヘルト王国の兵士の皆さんは兎も角、誓狼騎士団の連中までこう、やる気に成ってるとは思わなんだわ。
いや、参加したがってる奴とか居るなぁとは思ってたけど、ここまで多いとはさ。
それぞれ団長として就任したのは甥っ子君ことスターリン・ハルフェコフ公爵令息と、誓狼騎士団団長補佐のアルフレド・サルバドル公爵令息。まぁ、この辺は順当だろうなとは思う。
ただ、スターリンの方が、週一ペースで、日頃の訓練の成果を件のリングで行ってた関係で、アルフレドの方も、そう言った公開の場を欲しがったんで、訓練場の近くに、野外ステージみたいな感じで、リングを作ったんよね。それこそ、俺の前世の記憶の中にあるソレをさ。
そしたら、そっちはそっちで、冒険者を中心に街の人達の娯楽みたいな感じで見物人が出る様に成ったんだわ。
何でか、薄いアルコール売ったり、軽食売ったりしてる魔物’Sが見える様な気がするが、まぁ、気にしない事にしよう。
こっちの野外闘技場の方は、観戦者が少なかった時は、無料で開放されてたんだけど、人が増えて来ちゃったんで、入場を規制する為にも入場料を取るようにしたんだが、それでも立ち見が出来る位には、見物人が出てるって言う盛況っぷり。
スターリンの方は、そもそも館に勤めてる人間が主な観戦者だったし、時折その伝手で見学が出来るってぇ位だった。
場所的にも、地下牢を利用してるってぇ事も有って、そこに入る事が出来る人間が、そもそも限定的だったんだが、その上で広さ的問題もあって、見学できる人数もある程度限定されるんで、領館に勤めてる人間か、それが招待した人間だけが入れる、何か会員制の特別な倶楽部みたいなノリに。
で、そんな感じで方向性が違うにも拘らず、合同講習ではスターリンとアルフレドが、お互いにライバルっぽい感じで『こっちの方が見物人が多い』だとか『自分達の方が質の良い見物人が揃ってる』だとか、『金銭で見世物に成るのは下品だ』だとか『そもそも貴様らは揃って不敬罪の罪人だろうが』とかとか。競い合うわ、口喧嘩し合うわ。
こうやって、お互いに言葉でのマウント合戦で優劣を競うのも、口プロレスとかって言うけど、そこまでプロレスに心血注いでるって事なんかね? 違うか。
で、何か気が付くと、お互いの選んだ選手を戦い合わせて、優劣を競う試合を開催するってぇ所まで話が進んでて、ちょっと展開早すぎて、オジサン付いて行けんかったわ。
てか、おまいら本当は仲良いだろ?




