あくまで希望を聞いての処遇です
今回はここまでで力尽きました。
申し訳無い。
正気を取り戻した甥っ子君。まだ牢屋の中に居ます。
いや、俺が命じたってぇ訳じゃなく、自主的に。
曰く『オレの中の獣は、まだ完全に滅した訳じゃ無い。言わば封印されただけの様なものだ。だから、まだ、オレは牢獄の中から出る訳には行かない……フッ、咎人のオレには似合いの場所だ……』ってぇ事らしい。
取り敢えず包帯と、レザー系の衣装、シルバーアクセでも差し入れておこうかね。
まぁ、自らの居場所を貴人牢と定めたってんなら、俺の方に否は無い。一先ず内装は整える形で対応する事にする。
ただし、牢屋の鉄格子の間にはガラスを嵌めさせてもらうけんども。室温対策として。この国、一年を通して暖かいけど、流石に朝と夜は冷える事も有るし。
それと、治療は継続することにした。まだ完全に治ってないらしいからな、本人曰く。これに関しては甥っ子君からも『是非に!』ってぇ熱望されたし。
それに伴ってなのか、部屋ってぇ体に内装を整えた牢屋内で、鍛錬する許可を請われた。まぁ、その辺は好きにするが良いがな。と思ったんで、許可しておく。
それに伴ってのファルトヘルト側の兵士の立ち入りの許可もなぁ。プロレスの技の研究をしたいんだと。
……これ、俺を倒したいって事だよな。コレが果たして本人のプライド故なのか、内なる獣とやらの影響なのか。それとも別の思惑があるのか……
許可、したよ? まぁ、何か思惑があるってんなら、その思惑ごと叩き潰すし。
ついでに近くの牢をリング形式に模様替え。とは言え、ロープ貼っただけだけんども。
一時期、大量の人間が入って来た関係で治安的にアレだったんで、牢屋を増やしてたけど、結局、兵士が増えたんで巡回する兵士を増員したおかげか、牢の方はあまり使わずに済んでたんよね。
なんでまぁ、転用出来て良かったってぇ事にしよう。うん。




