興行?
またもやの寝落ちです。
遅くなり申し訳ない。
「それでは、くれぐれもヨロシク」
満面の笑顔で見送る俺に、引き攣った表情で応える使者さん。結局、ファルトヘルト王国へと帰還出来るのは使者さん達文官5名と、その護衛としての10名までにおさめて貰った。
後の兵士はそのまま家の領地で預かる事と成る。しょうがないよね、暴走する甥っ子君を抑える為の人間だし、居て貰えなければ、もしもの時は、こちらの被害が出てしまうんですもの。建前上は、な。
まぁ、体の良い人質だよね。その上で、交代要員は認めてるよ? なんて優しい俺。
当然だけど、その為の【治安維持費】は、請求するし、家の領までの旅費も向こう持ちでってぇ事で話をしてある。だって必要経費必要経費。どれもこれも、甥っ子君を抑える為に必要なお金ですもの。押し付けたのはファルトヘルト王国側だし、押し付けて来た方が払うのが筋ってもんでしょ?
果たして、ファルトヘルト王国はどんな反応をするのかね? まあ、十中八九、こちらの言葉は無視されるんだろうなぁ。そんで『早く返せ』ってぇ異議申し立てだけして来る。
兵士40人。多く見えるが、国家ってぇ枠組みの中で言えば、決して多くない人数だ。
詰まりは無視しても平気な程度の数。
但しそこに、個々人の感情だとか、そう言った事を一切考慮して居なければであり、飽くまで数字上でっての場合の話ではな。
ただなぁ、上から見る人間にとっては、結局数字での問題でしかなくなることの方が多いから、はてさて、どうなるかね?
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政務、鍛錬の合間に治療行為。使者さん達を送り返してから数日が過ぎた。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「視線で狙いがバレバレだぞぉ、むしろ視線はフェイントで使えー」
左右にステップを踏みながら、俺に蹴りを入れようとする甥っ子君に、その蹴りを躱しつつ足を取ってのすくい投げ。
頭をかばって両手でガードなんざしやがるんで隙が大きくなる。そこは受け身から即座に反転せにゃ、次には繋がらんと言うのに。
って、事で、倒れ込んだ甥っ子君の足を取ってからのスコーピオン・デスロック。
「うがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
足腰を極めつつ【プラーナ】注入。これには牢屋の前の犬達も大興奮。
最近の甥っ子君は、ケダモノじみた叫び声も少なくなって、貴人牢の中で大人しくしてる事も多くなった。
果たしてこれが教育されているが故の反応なのか、それとも治癒しつつあるが故のソレなのか。
まぁ、どっちもか。
治療が進んでいるって事なら良い傾向だろう。多分。
俺の治療はこの所少々見世物じみた感じになって来ている。何かと言えば、手隙の兵士だとかメイドだとかが、牢の前で見学をな? まぁ、別に見られても困らんが、娯楽が少ないのかねぇ。
何か、俺が色々な技を繰り出すのが見ていて楽しいらしいよ? まぁプロレス技使ってる時点で、半分はパフォーマンスだしショー的な感じに成っちまうのはしょうがない。何せ魅せる為の技ですしおすし。
『ぽっぷこーんは、いらんかねぇ~』
「ホットドックもあるよぉ」
だからって、食べ物売るなやおまいら!!




