モラトリアムへヨーソロー
話を聞く限りでは、お薬と魔法と身体で自分にメロメロにさせてたっぽいんよね。【性女】様は。
まぁ、同じ事は無理でも、似た様な手順で教育は可能なんだわ。特に野獣なんかは。
もっとも、俺は非合法な薬とか魔法とかは使わんけどな。
「どうぉぉぉぉけええぇぇぇぇ!!!! だあああぁぁぁぜええぇぇぇぇ!!!!」
貴人牢の鉄格子をガクンガクンと揺らしていた甥っ子君は、俺が入ってきた事に気が付くと、即座にその入口から逃亡をはかろうとした。
まぁ限界だったんだろうさね。女日照りが。
けど、やらせるわきゃねぇだろうが!!!!
飛び込んできた甥っ子君に、半歩踏み込むと、その喉元にラリアットを喰らわす。
勢いのままに身体だけが前方に流れ、『ぐぶぇっ』と言う汚え声と共に、甥っ子君の身体が浮いた。それを空中で反転させると、後頭部を鷲掴みにして床に叩きつける。
そしてその背中に跨ると、そのまま顎をロックし、海老反りに成る様に引き絞った。
キャメルクラッチ。
単純で仕掛けやすいが、効果的な固め技。う~ん。ただ、この世界来て駱駝って、あの淫欲魔族ぐらいしか見た事がねぇから、駱駝乗りに見立てるキャメルクラッチよりも、馬に乗っているように見立ててるテキサス・ブロンコ・バックブリーカーの方が良いかね? いや、この世界にテキサスも無ければ、カウボーイ魂も無いわ。
うん、キャメルクラッチで。
と、言う訳で、首、背中、腰を極められて、ジタバタともがく甥っ子君だが、これ、相当な背筋力が無いと、逃げられんのよね、場所が場所だけに早々簡単に折れる訳でもなく、その上、落とすってぇ訳でもないから、ただただ苦痛しか無いと言う。
その上で、適度に【プラーナ】流してるんで、気絶も出来んだろうよ。
さぁ、思う存分、苦痛と向き合いなさいな。ギブアップも認めないけど。
まるで制裁でもしてる様な絵面に成ってるけど、一応にも治療行為ではある。俺は【プラーナ】によってパッシブで【身体能力向上】を掛けてる関係上、毒物に強い。
その上、【プラーナ】を高速濃縮循環させる事で、精神や魔法に対する抵抗力を高める事が出来る。
なんで、こうやって俺の圧縮された【プラーナ】を強制的につぎ込んでやる事によって、強引にデトックス&抵抗力向上をさせてやろうと言う心意気な訳だ。
まぁ、態々プロレス技と併用してるのは、コイツが快楽と共に薬や洗脳を覚え込まされたって言うなら、それを上回る“刺激”で条件を上書きしてやろうと言う親切心な訳だわ。こうやっておけば、同じ事をされそうになっても、この痛みを思い出して、躊躇するだろう。多分、恐らく、きっと。
それに、俺の【プラーナ】注入も、やられる側は快楽として受け取っちまうらしいんで、ソレの緩和の意味合いも込めて。
知ってる? 快楽って行き過ぎると苦痛になるらしいよ?
最初っから苦痛であれば、更に苦痛を上掛けしても平気だろう。多分。




