やぶさかではない
【闘神化】そのものは、別に“秘中の御業”ってぇ訳じゃ無く、むしろ、そこに至るまでの【プラーナ】の運用に至っては、毎日修練を重ねている代物なんで、やって見せるってぇ事自体は全く問題はない。
ただ、【闘神】呼ばれている状態と化した場合、その姿の知名度と姿を現した場合の周囲への影響力って物を考えると、安易に町中でやれる様な代物でも無いんで、もしやるとするなら、バストを滞在させている、古代遺跡の隔離区画辺りに行けなけりゃ、早々【闘神化】をする事は出来んのよね。空間的な広さとか考えてもなぁ。
ただ、あまりバストの所には行きたくないんよね。脳内駄々甘のお花畑だし。本人、悪いってぇ訳じゃ無いんだが、俺にとっては、相性が悪いと言うか、あまり相手にしたくはないタイプ。
お互いに、駄々甘でいちゃつきたいってんなら構わんのだろうけど、俺は、余りそう言うのが得意じゃないんでなぁ。
そう言えばバスト、前に執務室の方に邪神が現れた時は、事前に察知してたみたいなのに、大会の時は出て来んかったな。何でじゃろ?
『【嘆息】マイマスターと私は、あの後すぐに去ってしまったので、後の事は分からないのですが、聖槍の話では……』
『【憤懣】そうデス。来たデス。アドミニストレーター達が去った後に、バルンバルンさせながらっ! デェス!! 急いで来たらしく、無駄にエロく息を荒げてたデス。会場にいた男性陣の殆どがガン見してたデス。死ねば良いのにデスゥ!!』
何を? とは敢えて聞かない。
てか、来たんだ。そうなると召喚された時点で気が付いたってぇ所なんかね? つまり、召喚した場合は、唐突に空間にルートが繋がる様な感じなんかね?
検証はせんけど。
「【闘神化】そのものを見せるのは構わんのよ、今は場所が無いってだけで」
「見せていただけるのであれば、ぜひ!!」
おおう。俺の言葉に、前のめりでヘンリエッタ王女が食いつく。そして、『当然であろう』ってな表情でドヤ顔をする女騎士。いや、何でやねん。
ともあれ、近い内に、【闘神化】している所を見せるってぇ事で、話は纏まったわ。
さて、どっか良い所、無ぇかね? 隔離区画以外で。




