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本国では聖女でもある訳なんだが

 目を休めようとして濡れタオルで目元を覆っていたら、朝でした。

 しかもその間、身じろぎもしなかったらしく、タオルが落ちていると言う事も無ければ、両腕が痺れて動けないと言う。

 兎に角、遅くなって申し訳無い。

「ズルいです」


 ヘンリエッタ王女の言葉には、正直、苦笑するしか無い訳だけんども。

 女騎士(くっころ)さんは女騎士さんで、無言で俺の事を睨んでくるし。

 王女の手前、口は出しませんよアピールなのか、その忠誠心は尊敬に値するとは思ってるがさ。

 さて、ヘンリエッタ王女が、こんな不満を顕にするのも、分からなくはないんよね。

 彼女は敬虔な光の神の信徒で、俺、と言うか、俺に関わって来てる存在に仕えるってぇ名目で家の領に来てる訳だ。

 それもこれも、俺が【光の神の愛し子】で、【闘神の神子】ってぇ立場だと思ってるからな訳だけんども。


 正直、【愛し子】の方は俺のどうこうする範疇に無いんで、文字通りどうしようも無いし、【神子】の方は、微妙に“一寸違う”んだがさぁ。


 ただ、それに関しては、俺がどう思ってるかって事より、彼女達がどう感じてるかって事の方に重きが有るんで、結局、俺がどんな説明をしようと、暖簾に腕押しな感じなんよね。


 まぁ、それはそれとして、何で『ズルい』なんて話に成るかと言えば、まぁ、俺が彼女の居ない所で【闘神化】したからなんよね。


 当初こそ、邪神崇拝者が表れ、邪神そのものが顕現しかかったってぇ事で、『それは大変でしたね』ってぇ感じで、労いの気持ちの方が高かった様なんだが、日が落ち着いて、様々な人から『闘神様凄かった』的な話を聞く度に、色々と思う所が出て来たらしいんだわ。詰まり、『なぜ自分が居ない所で!』って感じで。


 まぁ、態々、其れ等の神に仕えるってぇ名目で来てるのに、その神が降臨した場に、居なかったと成れば、そんな風に感じるのも当たり前なんかも知れんけんども。

 特に、前にも降臨したってぇ時には、ヘンリエッタ王女は、家の領に移動の旅をしてる真っ最中だったんで、直接見る事が叶わなかったし、今回に関しては、その為の教会を造る為の打ち合わせで、不在だった最中の出来事な訳だからな。


 これが、打ち合わせの予定がなく、普通に領主館に居る間に起こってたら、見る事が出来てたイベントでも有る訳だから、余計に『何で?』ってぇ気持ちが強いのかも知れない。


 とは言え、その辺は『タイミングが悪かったね』ってぇ話でしか無いし、俺としたって、邪神降臨なんて状況でもなけりゃ【闘神化】をしようとか思わなかった訳だからなぁ。


 なんで、俺の方に『ズルい』とか言われても、正直困るんよね。

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