いとも容易く行われる怖い物知らずな行為だったよな
寝落ちて居ました。
申し訳ない。
執務室でのエクスシーアとの打ち合わせ。大会がアレだった事も有って、今後の商品展開とかそう言った物色々。
「取り敢えず、急遽、【闘神デッキ】と【邪神デッキ】は作る事に成ったのでな」
「そう成るかぁ」
「そう成るな」
てか、【邪神デッキ】て。一言に邪神とは言えども、今回顕現しかかってたのは恐らく『レヴィアタン』で、それ以外にも邪神は多々居る筈なんだ。少なくとも魔族の数だけはなぁ。だって、各魔族の輩に【加護】を与えた邪神は、それぞれ違う邪神なんだし。
どうやら、魔族の各々の名前は、その【加護】を与えた邪神の名前でもあるっぽいんよね。俺の感触だと。
ただ誰一人として、自分に【加護】をくれた邪神の名前がそれそのままだとか語った輩はいないんだがね。アレか? 実は【真名】的な感じで縛りがあるとかか? つまり、自分に【加護】を与えた邪神の名前は口に出しちゃいけない的な。
……それは無いか、だとしたら、自分の名前も言えん事に成るしなぁ。恐らくだが、邪神にとっても魔族にとっても、その辺り、絶対的に重要な事柄って感じじゃぁ無いんだとは思う。何と言うか、邪神ってのは、【加護】を与えた魔族が、その心のままに過ごす事で、【オド】を得ているってぇ部分があるし、【オド】を得られるのであれば、それ以外の事って、どうでも良いとか思ってそうだからなぁ。
名前を広めるってぇ事をあんまり重要視してないと言うか。
まぁ、自身に必要な【オド】は、その精神性が似通った者が勝手に発してくれるソレを勝手に吸収してる訳だから、信者からじゃ無ければ得られないってぇ事じゃ無いっぽいからな。
「取り敢えず、【邪神デッキ】ってぇ一括りにしちまうのは、語弊があると思うんだわ」
「ふむ、確かに。『【邪神デッキ】群』として、個別の邪神にスポットを当てれば、それだけバリエーションも作れる……と言う事だな。流石は我が君」
「うん、俺の言いたかった事はそう言う話じゃぁ無いんだが、確かにそう言った考え方もあるっちゃあるのか」
商魂逞しい事で。てか、各邪神の名称とか出しちゃって構わん物なんかね? それ。デッキ持ってる者が、信者判定とかされん物なんか?
そんな懸念を伝えて見れば、『確かにそう言う考えもあるが』と切り出す。
「実際に居ない神を扱えば、その辺りの問題は解決できるだろう」
「あぁ、架空の神の名前を使う訳ね」
確かに、それなら、それ程問題にもならんか。邪神とか魔族の名前が、前世の悪魔のソレをオーバーラップしてる事も有るし、前世だと割と、その辺りを普通にゲームとかで使ってた事も有って、そのまんま使うもんだとか思い込んでたわ。
むしろ、TCGなんかだと、その世界観の中で創作された神とかの方が普通だったってのに。
アレだ、思い込みの怖さってヤツだわ。
「そう言う意味だと、闘神ってのも、そのまんまってぇ訳にゃいかんよな」
光の神はそのまんま、個体としても存在してるっぽいけど、闘神に関しちゃ、過去に居た英雄の神格化っぽいし、第一、俺も【闘神化】とかって呼称はしてはいるが、別に俺自身がその当時の闘神ってぇ訳じゃぁ無いんよな。
恐らく同じ“技”を使ってはいるだろうが、その当時、闘神として崇められ、今も闘神として語り継がれている者とは、別な訳だし。
「ふむ、固有の神を扱うのは確かに危険ではあるな、ならば、そちらも架空の神とすれば良い。例えば……『赤き闘の神トール』とかな」
「いや、それはマジ止めて!!」
かなり本気で!!




