大会が始まったとです
『対決』大会のファーストステージは、64人1グループで4グループの、総計256人と言うアホみたいな人数での戦いだった事も有って、1グループずつが闘技場でいっぺんに対決を行うと言う状態で進められた。
いや、256人て、どんだけ参加してるって話だわ。いや、売り上げの数字自体は見ては居たけど、改めて参加してる人数とか聞くと、エクスシーアが『笑いが止まらんな』とか言ってた意味が良く分かるわ。
だって、これ、単純にパックを買ってるってぇだけじゃなく、そのパックでデッキが組める状態にしてる人数って事なんだぜ? 1つのデッキが、カードを40枚必要としてる訳だけど、効果的な戦法を組み上げる為には最低でも100枚からのカードが必要になるんよね。
最低の枚数が、ソレな訳だ。しかも、この人数って、大会に参加しているってぇだけの人数でしかない訳で、単純に『対戦』が出来る人数、つまりは潜在人数なんかは、その比じゃ無いだろうさね。
いや、まぁ、笑いが止まらなくなるってのも理解が出来るわ。
さてさて、そんなアホみたいな参加人数の対戦なんだが、その中でも、やはり優勝候補とか、目立った戦法を行使する人間とかが居るらしく、解説を担当してる人間は、その辺りをチョイスして解説なんかを行っていた。
流石に優勝候補とか呼ばれてる人間は、俺の屋敷で働いてる、元ストリートチルドレンの1人で、俺も屋敷の中では何度も顔を合わせた事も有る少年だったわ。冒険者の適正は無かったみたいだけど、そうか、こっち方面の才能が有ったか。
その他にも、見知ったメイドの娘やら兵士の青年やら、老若男女様々な人間が参加している。当然だが、ドワーフ連中とか獣人の人やら、まぁ、色々だわ。
解説なんかも聞いてはいるんだけど、一寸齧っただけの俺じゃあ、良く分からん戦法とか色々あるんだが、これ、俺対決の時、大丈夫かね?
一応、俺は俺で戦法的な物は練って来ては居るし、屋敷の中で経験者との勝負では、結構良い感じに対戦に成ってたとは思うが、アレか? もしかして、接待とかされてたんじゃねぇよな。
ここまで、人の戦術を理解できないと思わんかった。速攻デッキとかデバフデッキとか、そう言ったデッキの傾向だったり、見てて『何かを狙ってるな?』的な事は理解できるんだが、具体的に、どんな感じに手番を回して行こうとしてるのかってのは、解説を聞かんと良く分からんのとか、ちょいちょい有るんだわ。
相手が魔法を使っての大ダメージ狙いだって読んだとして、それを阻止する為に魔法で使用するコストが揃う事を妨害する……とか、狙ってやれる事なんか?
TCGが出回ってから、そんなに時間が経ってるってぇ訳じゃ無い筈なんだが、何と言うか次元の違うプレイヤーがチラホラ居やがるのな。
これ、逆に、俺と公爵家の御令嬢との対戦のレベルが低すぎて失笑されるとか、有り得るレベルなんだが。
いや、ご令嬢がどのくらいのレベルで仕上げて来てるか、まだ分からんのだけんども。
う~ん。一寸、不安に成って来た。いや、まあ、今更ではあるんだが。




