分母が増えれば
浮ついた感じがすると言っても、雰囲気的には悪くは無い。
ただ、こう言った雰囲気の時こそ、気を引き締めんと、重篤な災害だったりが起こるからな。
それでなくとも、大会目当てでの人の流入も増えてる関係上、治安の悪化とか考えられるし。
コレはあれだな、冒険者に警備の依頼を出す事も考えんとだな。
そう言った冒険者連中のパーティーメンバーでも有る魔術師を大会の為に拘束しちまってる様な部分もあるし。
魔術師を持ってかれてる冒険者連中は、比較的危険度の低い討伐依頼に行ったり、臨時パーティーを組んで依頼をこなしたりしてるらしい。
まぁ、【緑風の調べ】みたいに、今迄の稼ぎで、観光がてら、街中をブラブラしてるのも居るみたいだが。
歓楽街を区画整理しては居るけど、だからって、そう言った飲み屋だったり遊び場だったりが無くなってるってぇ訳でもないからな。
人の本能に直結する様な娯楽ってのは、規制した方が、裏で蔓延る事が多いからなぁ。変に蔓延られると、逆に厄介な事に成るから、だったら、こっちでコントロールできるようにした方が何ぼかマシって話。
潔癖な人達からして見れば不健全な施設に見えるかもしれんが、だからと言って営業形態まで不健全になられたら、それはそれで厄介な事に成るんで、その辺りは必要なんよね。
まぁ、俺自身は前世も含めて厄介になった事は無いんだが。
いや、俺が潔癖だったと言うより、そっち関係よりも普通にマンガとかラノベとかにお金を掛けたい人間だったんで。
まぁ、それはそれとして、所謂『大人の社交場』とかも、新しい店舗を移動するまでは、今迄と同じ場所で営業してる訳だし、そう言った遊び場所が無いってぇ訳じゃぁ無いんよね。
あぁ、そう言う意味では、今の街の姿は今限定でもある訳か。
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色々な人間が入って来てるって事は、必ずしもこの街に対して好意的な人物が入って来るってぇ訳じゃ無い。
たとえば、ほら、冒険者ギルドの併設の酒場で、真昼間っからクダ巻いてる酔っ払い。少なくとも、今日までで見た覚えのない冒険者の二人組。
「全く良いご身分だよなぁ。たかが、【竜種】だっけ? 魔物の一体を倒したくらいで、お貴族様だぞ?」
「【竜種】ってのが、どんなもんだかは知らんが、D級冒険者が倒せるなら、俺だってやれるだろうよ!!」
アルコールの所為で気が大きくなって来て居るのだろうが、少しばっかり声のボリュームも大きすぎるんじゃね? ってぇ感じがなぁ。




