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投影する魔法

『【不満】まだ、無駄も多いし、最終的な効果を考えれば、この術式はもっとリファイン出来るのデェス!』

「さ、すが! よろし、く、お願、い、しま、す!!」


 今の所、()()()()()イブが()()()光魔法を見ながら、ジャンヌがそう言った。


 目の前には巨大な騎士がランスチャージをしている訳だが、勿論これは、魔術による虚像。

 本物は、イブの前のテーブル上で、くるくる回る円盤の上の連続した動きに見える様に形成されたミニチュア騎士な訳だが。


 今、使っている術は、対象に魔法を掛ける事で、その対象の像を空間に投影すると言う物で、投影された像そのものは、あたかもそこに有る様に見えるのだが、魔法発動時の、その瞬間の像しか発現させる事しか出来ないんよね。

 なんで移動が出来たとしても固定ポーズと言う。

 んで、それを連続で行えるようにしたのが今の状態。


 元にする像を見ての通りに、円盤上に連続した動きの絵を描く事で、その円盤が回転した時に、連続した絵が動いて見えると言う、ゾートロープ方式でアニメーションさせた立体物を使っているんで、結果、そのクリーチャーが動いて見えるってぇ訳だ。


 投影自体の拡大縮小は、比較的簡単に行えるらしく、こうやって、あり得ない程の大きさの騎士が、俊敏に動く様に見せるとかって事も出来る。

 待機してる時は、動かない映像で充分だけど、攻撃やら防御やらをする場合は、その都度、ミニチュアが置いてある円盤を動かして投影し直してやる必要が有るんよね。


 この魔法術式は、イブが【陽炎】って言う魔法を整理圧縮して、連続での行使までが出来る様にした物だ。

 連続行使だったり、同時行使だったりは、イブ本人が既に体得している“技術”では有るが、それを他者が魔術として行える様に、術式へと落し込んだ訳だな。魔法って物が全く使えない俺からしてみれば、新しい魔術を創るってだけでも充分凄いと思うんだが、ジャンヌに言わせればまだまだらしい。てか、これ以上って、どうするつもりだ?


 まぁ、それは兎も角、こんな感じで『対決』自体は華やかに見えるけど、裏方は、準備する物も多いし、結構大変なんだわ。

 何せ、召喚されるクリーチャーと、ソレの攻撃、防御分の円盤が必要だし、それ以外に、各種エフェクトも無ければいけない訳だからな。


 なんで、【詠唱破棄】での即時発動時か、【発動遅延】で待機させて置いてタイミングを合わせるか。

 何にせよ、そのどちらかが出来なければ、裏方は出来ないんよね。

 そんな感じで、求められるスペックは高いのに、活動自体は目に付かないと言う仕事なんで、その分手間賃は高めにして貰っている。

 ただ、前に『悪いね、面倒な事やって貰って』みたいな事をリシェルに言った時に『構いませんよ、こちらとしても、新しい、それも最先端の術に触れられるのは、嬉しい事でもあるからぁ』とかって、楽しそうに言ってたから、決して金に釣られてとか、辺境伯由来の依頼だからって、イヤイヤだけれど、やってるってぇ感じじゃ無かったのが幸いか。


『【説明】なので、見ながらじゃ無くて、像そのものを魔法領域にストックできる様にすれば良いのデス』

「イメー、ジ、を投、影?」

『【否定】イメージではないデス。像そのものをストックできる領域(フォルダ)をエゴ領域に作るのデス』


 ……何かまた、新しい魔術を作ってるように聞こえるんだが……


 うん!! 頑張れ! リシェルと愉快な魔術仲間達!!

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