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まぁ、グレイゾーンだわ

 この所の肉体的疲労で力尽きていて、遅くなってしまいました。

 本当に申し訳ない。

 青銀髪縦ロールの公爵家ご令嬢、アマルティア・フォン・ヘッセンバルクが連れてきたゴーレムはその主のきらびやかさとは正反対の様な、無骨さの目立つ騎士風なのだが、その体型も、やや痩せぎすな縦ロールとは正反対なズンクリムックリな体型だった。

 なんと言うか、昔のスーパーなディフォルメ風味で、等身が2頭身前後なアレな感じ。もしくはアイアンなリーガーか、キャットなてやんでぇ。


 無骨さで言えば、現在作られているゴーレムと五十歩百歩だが、その無骨さの中にも洗練された物腰が見て取れる。


 もっとも、それ以上に一線を画して居るのは、どう見ても自我が有る様に見える事なんだがね。


 古代技術の塊である聖武器(ファティマ)達に創られたオファニムやケルブも自我が宿っているのは疑いようも無いが、それ以上に自在に言語を操れるってぇ時点で、古代文明の技術じゃ無ければ再現が難しいらしいし。


 単純に音を出すってぇだけならば、それ程難しくは無い訳だが、“音”の波長を調整して意味ある言語に聞こえる様にするには、繊細な微調整が必要なんだとか。

 生物だと、それ程気にして居ない音声調整機能も、無機物だと耐久性も含めて考えんとあかんので、色々と難しいんだとか。


 これ、魔物から取れる素材でどうにか出来んのだろか? とか思ったんだが、魔物ってか生物の声帯の仕組みと、ゴーレムのソレとは根本的に違うから、そのまま使う事が出来ないし、素材ってぇ形に成っちまうと、結局、普通に無機物のソレと、然程条件的に変わらなく成るんで、大して意味はないんだそうな。


 それはさて置き、ヘッセンバルク嬢が、オーサキ領に来たのには勿論理由がある。家の領地で古代遺跡(ダンジョン)が発見されたってのは、態々喧伝こそしてないが、特に箝口令を敷いてるってぇ訳でもない。家の領が主体に成っての発掘調査につては冒険者ギルドの探索が終わった後だからね。やるのは。

 募集を掛けるのも話題にするのもその後で充分なんよ。

 なんで今は、社交界的には情報に聡い貴族連中は知ってるってぇ状態な訳だ。そんな情報に強い貴族の一角がヘッセンバルク公爵家と言う訳だな。


 で、そんな公爵家がここに来ている理由こそが、古代遺跡で発見されるであろうアーティファクトであり、つまりは、出土したアーティファクトを販売する場合の優先権を欲しての事に成る。


 本来であるなら、古代遺跡で発見した物はその領地にこそ優先権ってのは有る訳だが、ただ、調査にしろ研究にしろ金銭的なコストは掛かる訳で、そう言ったコストを払えない領地なんかでは、当然、それらを売却する訳だ。


 ただ、そう言った場合、基本的には王都でオークションに出品したりするんだが、そう成ると、結局、買おうとする側からすれば、その時のタイミング次第では、購入できないってぇ事にも成り得る。

 だからこそ、事前に根回しをして、こうやって優先契約をしに来るってぇ事も有りうる訳だな。


 とは言え、これもルールの裏ではある。まぁ、あまり褒められた方法じゃぁ無いって事なんだわ。言わば抜け駆けではある訳だし。


 ただ、そう言った事は織り込み済みだからこそ、優先で手に入れる場合は、かなり限定的だし、品数も多くは求めないってのが暗黙のルールとは成ってるみたいだけど。


 さて、ヘッセンバルク公爵家が欲してるアーティファクトってのは何なんかね? まぁ、目の前で、ファティマに釘付けに成ってるご令嬢を見れば、何となく分かるけどさ。

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