大会に向けて
バタバタしていて遅くなりました。
申し訳無い。
まぁ、後の事はエクスシーアに丸投げで……いや、必要な知識の提供も労働もやってるんだから、丸投げじゃ無いよなぁ。そもそも、大本のTCG事業関連はエクスシーアの領分な訳だし,、部下の求めに応じて骨を折る俺、上司の鏡の様だと思うんだが、どうだろう?
まぁ、それは兎も角、今度こそ本当にエクスシーアの考えた想定で動けば良いと思う。人手さえあれば量産化も可能だと言うんだから、その人員の確保なんかは、俺が考えた方が良いんだろうね。頑張る部下のフォローをするのが良い上司だと思うし。
ただ、その人手の確保ってぇ行動が、俺、一番苦手なんだけんどもさ。伊達に万年文官不足に喘いでないさね。自慢にゃ成らんが。いや、本当に自慢に成らんな。まぁ、それでも伝手は当たるがね。
******
苦手だ苦手だと言った割には、人手の方は割とあっさりと揃っちまった。
「うむ、これで今まで以上に事業を拡大できるな!!」
エクスシーアさん、さらなる事業拡大に熱意を燃やしてやっしゃる。
移住者やら引退する冒険者やら、以前保護した違法奴隷の子やらと、希望者がこぞって集まったんよ。
現在、歓楽街の整備をやってるから、人足さんが集まってるってのも影響して、殆ど時間も経たずになぁ?
あるぅえ? 俺が文官募集した時は、殆ど集まらなかったよね!?
「それは我が君の下では自分たち程度の能力では役者不足だと思う者が多いからであろう」
「パードゥン?」
「自身が見劣りすると思えば、尻込みするのが人間と言うものだろう?」
えぇっと? それは俺の事務処理能力が高いと思われているってぇ事か?
「いやいや、俺の事務能力なんざ、かぁなぁりぃ、普通だぞ?」
「普通であれば、紙に書いて計算して、何度も確認しつつやっている事を暗算で瞬時に行っていれば、レベルの差と言う物を意識して当たり前だと思うがね」
……あぁ、そうか、今でこそ、読み書き計算を学んで貰っているから、計算が全く出来ないからなんて事も無いし、前世では例えば今日の日付けから予定日までの日数を計算して、何日あるかとか、当たり前にやってたけど、普通は、その位の計算とかも、あまりやらんのか。
それでも文官なんかをやってる人間なんかは流石に、その位なら出来るけど、そう言った人達は、一定の教育を受けてるエリートな訳だから、相応にプライドも高い。
そんな人達からすれば、冒険者上がりの、多分脳筋な【ドラゴンスレイヤー】に自分達の畑で後れを取るとか、プライドが許さん訳ね。
道理で武官しか来ねぇ訳だわ。
んで、今回の募集は、所謂労働階級の人達向けな上に、単純労働だから、人が集まった、と。
理解はした。納得は行かないけど。
「まぁ良いや、じゃあ、後は任せる」
「うむ、だが、大会には我が君も参加とまでは行かないが、顔は出してくれ。何せ、オーナーで有る訳なのだからな! それに、イブ達も大会に向けて頑張って練習している! おそらく、我が君に見せる為にも一生懸命なのだろうからな!」
「はい?」
大会に向けて? いや何で、そこでイブの名が出る?




