前例のない事を説明するのって難しいよね
TCGのルール説明何かは、やっぱり、実際にやってみるか、やっている所を見るのが分かり易い。
てか、実際にやっている所を見てから、自分でやってみるってのが1番か。
カードの出現率なんかは、実際にやってみた方が、その偏り方も含めて、感覚として捉え易い訳だけど、ただまぁ、コレは一回やったってぇ位じゃ掴み辛いだろうがね。
とは言え、基本的に買って行ってる人間である、商人だったり旅人だったりが、特にお土産として購入してるってぇ現状だと、態々ルール説明をして〜とかってのも冗長に成る。
こう言う、嗜好的な娯楽品ってのは、興味の無い人間には、全く響かない物だしなぁ。
「【ドラゴンスレイヤー】TCGの知名度を上げる為に、大会を開こうと思うのだ」
「お、おう」
現状、美麗な絵画扱いな為、スターターセットの販促も兼ねて、『ゲームとして遊べるんだぞ』と言う事の周知をする為に、大会を開くらしい。
そもそもがゲームとして、遊んでいた物だったからか、コレの参加者が集まるのか? って事には意識が行ってない様に見えるけど……
「心配せずとも、元々館で行っていたトーナメントをオープンでやるだけだ」
エクスシーアが、そう言いながら呵々大笑する。
なんだ、それなら安心ってか、トーナメントなんざやってたんか。俺、知らんのだが!?
「我が君がいない時にな。その間の仕事を勝手に進める訳にもいかんし、特に魔族絡みでは、予定外の長逗留も多かっただろう?」
俺の疑問が顔に出ていたのか、エクスシーアがそう言った。
いや、長逗留て。別に湯治に行ってた訳じゃあ無いんだが。まぁ、仕事終えて趣味の範囲でやってたんなら、俺の方にも文句はない。
別に参加したかったってぇ訳じゃないし。単純に『いつの間に?』って思っただけだからなぁ。
まぁ、未経験者同士でもたつくより、経験者同士でサクサクやる方が、見てる方も中弛みしないと思うしな。
「ただ、やる時は、解説とか居ないと、見てる方も何をしてるのか分からないと思うから、そう言うのも必要だよな」
「ふむ、なるほど、確かにそうだな。大会とは言え、販促では有るのだから、エンターテイメントとしての面も考えなければいかんか。確かに、その辺は盲点ではあったな」
まあ、良く分からない物を良く分からない奴等がごちょごちょやってても、結局、わけワカメで終わる可能性の方が高い。
勝敗こそ、八百長じみた結果ありきだと困るが、こう、分かり易いインパクトとかは必要かもしれない。
「そう考えると、やっぱアニメって良い宣伝媒体ではあったんだよなぁ」
「ほう? KWSK」
いやいやいやいや。流石にアニメは無理だから!! エクスシーアさん!? 目が、目が怖いから!! 百戦錬磨の商人の目に成ってるからぁ!!
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結果から言えばね、流石にアニメーションは無理だって事は分かって貰えたよ? だって、写真すら無いのに、動画とか無理だから……直ぐには。
うん、根掘り葉掘り聞かれたんだわアニメーションについて。でさ、俺だって前世では良く教育されたオタクの端くれではあったから、ある程度、アニメとかにも造詣は有ったんよ。で、ふと思っちまったんだ。
『あれ? セル画を撮影して動画にってのは無理でも、透明シートをフィルム的に使ってアニメーションなら出来そうじゃね?』ってさ。
で、どうやらその思考が顔に出ちまった様で、エクスシーアに微に入り細に入り突っ込まれまくって、全部吐いちまったんよ。だって怖えぇって、金儲けの種に成る情報を聞き出そうとする商人って!
て描きましたともさパラパラ漫画をさ。アニメの原理的な感じで。声まで入れさせられましたともさ。自分で作ったパラパラ漫画に声入れさせられるってどんな羞恥プレイよ、マジで!!
で、結局描く事に成りましたよ。アニメーションで使える様なマンガのコンテを!! 本当はそのまんまコミックス一巻分描かされそうに成ったけど、それは全力で回避させて貰ったわ!! 忙しいんだよ! こう見えてもさぁ!!!!
いや本当に、エクスシーア、商人が身についてるわ。マジで!




