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欲を刺激するのが商売

 全力で倒れ伏して居ました。

 遅くなって申し訳無い。

「売れ行きは順調でな!!」


 ホクホク顔で俺に報告してくるエクスシーア。何でも【ドラゴンスレイヤー】TCG、予想外に売れてるのだそうで。


 俺としては、家の領地の街付近で売れて、子供達が対戦とかして遊べば良いなぁ位の心算だったんだが、エクスシーアの算段では、街に来ていた商人やら旅人なんかが、ちょっとしたお土産として買って行くのも視野には入って居たんだそうな。何せ、他には無い、美麗なイラストの入った手軽なカード状の商品、それも話題の【ドラゴンスレイヤー】だ。物珍しさや話題性なんかも有るし、売れるだろうとは思ってたらしい。

 【竜種(ドラゴン)】を【倒した(スレイヤー)】ってだけで、どんだけ引っ張るのよ。マジで。


 と言うか、お土産に、ね。あれか、観光地のポストカードのノリか。


 ただ、エクスシーアにも予想外だったのは、そうやって商人なんかが、自分の子供にお土産として買って行った後、子供にねだられたりして、再度、お土産として買っていくと言う、つまりは、リピーターに成ってくれたと言う事らしい。


 とは言え、コレはTCGって品物の性質上、どうしたって起こる事だと思うんだがねぇ。

 だって、ある程度、枚数集めないと遊べんし。


「それって、どんな感じで売ってるの?」


 そう言えば、サンプルは見せて貰ったが、実際にどんな感じで売ってるのかは見て無かったな。


「うん? サンプルで見せたと思ったが?」

「あぁ、あれ、そのまんまだったんか」


 確か、5枚位が一つのパッケージにランダムで封入されてるってぇ感じ。でも、アレでそのまんま売ってるとしたら、遊べる様に成るまで、最低でも8パックは必要だと思うんだよな。


「……スターターパックとか作らんのか?」

「スターターパック?」

「うん、取り敢えずこれだけあれば対戦が出来るって様なカードのセット」


 前世では、そう言うのが有ったよね。こう、セットで多少安めに設定して。いや、商売的には現状の方が良いんだってのは分かるんだが、これを娯楽って感じにとらえると、直ぐに対戦とか出来ないってのは、片手落ちな気がするんよね。

 そもそも、家の中で流行って? たってか、やってたTCGが大本だし、対戦するのにどれだけの枚数が必要かは分かってるんだし。

 いや、分かってるから8パックとかパック数でのキリが良い枚数を入れてるんだろうけどさ。


「ほう? 成程、あえて揃えさせてから拡張させると言う事か?」

「そもそも、トレーディングカードでもある訳だし、そうやって足りてない物同士を交換させるってぇ意味も有るのかもしれないけど、ちょっと、対戦できるまでが遠いかな? って思うんよね」


 そもそも、この街でしか買えないってのはある意味デメリットでもあるからな。そう言う意味では、エクスシーア商会の支店でも扱った方が良いのかも知れん。

 いや、現状、そこまでの流通が出来る程の量産体制が整ってないのかも知れんが。


「いやはや、我が君は随分と強欲だな」

「はい?」


 強欲? 俺が? いや、まぁ強欲かもしれんが、今の会話で強欲だって言われる様な所が有ったか?


「それは、最初から対戦と言う遊びの要素を知らしめ、その上で、勝敗と言う要素で人の勝負欲を刺激し、手持ちのカードセットだけでは満足できない様にして、拡張セットを更に売ると言う事かぁ!!」


 え? そう言う風にとらえたの!? いや、そう言った面が有るのも確かだけどもさ!!

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