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 遅くなりました。

 申し訳ない。

 ラミアーの【念動力(サイコキネシス)】で宙吊りに成って居る5人は、見た所普通の町人にしか見えない者達だった。

 強いて特徴を挙げるとするなら、全員が全員年の頃20才前後って所で、着ている物は、なかなかに上等な仕立てで、体型的には少し小太りな輩から、ちょっとやせぎすな男までと幅広く。

 ただし、筋肉質と言った感じの者は居らず、荒事には向いて居ない感じ。


 何と言うか小金持ちの残念五人組って感じ。


「あぁ、冷静に成って見れば、普通に事案だわ、これ」


 何と言うか、暗殺者やら魔族やらの襲撃だと“イベント”ってぇ感じに成るが、俺が貴族だとか領主だとか言う事を抜きにしても、子供二人を後から追い回してるとか、絵面的に“事案”ってぇ感じだよね。

 って、誰が子供だ! いや、対外的に見れば俺もラミアーも子供にしか見えないんじゃが……

 って、俺、7才だったわ。普通に子供だったわ。肉体的には。


「なら、あたしもぉ」

「あ、はい」


 ……うん、普通に拘束してても問題ない気がして来た。


「で? 何か申開き、有る?」


 俺がそう訊ねるも、何か五人組はお互いに視線を交わしつつ、ボソボソと何やら呟いている。


「うおぉい、聞こえていますかぁ?」

「キリキリ吐けえぇ」

「「「「「ひ、ひゃいぃ」」」」」


 返事こそしたものの、五人が五人ともに、質問には応えず、視線をキョロキョロと彷徨わせて落ち着かない感じで挙動不審に成って居る。

 え、何この、誰も彼もが人慣れしてない感じ。


 やがて、その中の1人、中肉中背で、結構顔の整った、普通にしてればイケメンって感じの青年が呼吸を整えて、こちらを見る。

 呼吸を整えてた方法が、『ヒッヒッフー』って言うラマーズ法だったのには、ツッコミを入れていた方が良いのだろうか?

 てか、この世界、有るのか? ラマーズ法。


 他の四人を見れば、まるで英雄でも見るかの様な目で、その青年を見ている。

 ボソボソと『ズギュウウゥン!!』『さすがディーやん!』『おれたちにできない事を平然(へいぜん)とやってのけるッ』『そこにシビレる! あこれるゥ!』とか言っているが……ツッコまんぞ?

 てか、高々人と話す事が、そこまで高難易度なのか? おまいたち。


「わっれわれはぁラミアー……さまぁの……」


 いや、声が裏返ってますが? あ、うん、おまいらにとっては高難易度なんな、人に話し掛けるの。


「ファ、ファファファファファッ!!」

「キリキリ喋るぅ」

「「「「「ひ、ひゃいぃ」」」」」


 ちょっと強めにラミアーが言葉を発すると、全員が慌てて返事をした。

 まぁ、ラミアーの方からすられば、自分の名前が挙がってる訳だから、『何なの?』ってぇ感じなんだろうが、これ、あれか?

 青年達五人組の表情とかから見ると、告白的なイベントか何かか? ラミアーに対しての。


 だとすると、俺達の後ろを追いかけ回してたのは、声を掛けるタイミングを伺ってたってぇ所か?


 そう成ると、こんな、公開処刑みたいな状態は、ちょっと酷か?


 俺がそう思い、ラミアーに拘束を解く様に言おうとしたタイミングで、青年の声が響いた。


「我々は!! ラミアー様のファンクラブの者です!!」

「えぇぇ……」


 青年の、ある意味の告白に、ラミアーが嫌そうに呻った。

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