結構な偶然が重なった結果なので
色々と有ったのですが、どうにも言い訳じみてしまうので。
遅くなりました。
申し訳ない。
【ドラゴンスレイヤー】が爵位を授かって創った領地ってのは、家の街の“売り”の一つであるらしい。まぁ、力のある領主が守護してるってのは、安全性って意味でも魅力ではあるからな。
「それだけじゃぁない。住居の利便性って意味でも、この街は他の街とは一味も二味も違うのでな、一度住んでしまえば、二度と他の街には行けまい」
コワッ!! 何その一度入ったら逃げられない呪いの館的なそれ!! いや、確かにその辺の文明レベルで負けるつもりは無いんだけんども。こう見えても転生者ですしおすし。
「ま、まぁ、その辺は最初から意識して街を作ってるしな」
インフラや交通の利便性ってのは、この街を造る時点で意識しているのは確かではある。とは言え、俺のやったのは上下水道の整備と魔力による明かりと熱源の用意くらいだけどなぁ。
「水道の栓を開ければ水が出るなど、他の街では聞いた事も無かった!! それも、各家でだぞ!! いやいや、初めて見た時にはびっくりしたもんだ!!」
「夜の明かりや、料理で自分で火を付けなくとも良いのもそうだ!! どうやってこんな事が出来る様に成って居るのか!!」
ドワーフの言葉に他の代表連中も頷く。まあ、この世界、集落の中に井戸が有るなんて良い方で、下手すりゃ、近くの水源、基本的に川や湖に汲みに行くってのが一般的だからなぁ。
まぁ、ある程度大きな都市に成ると、用水路の整備くらいはしてあるし、市中の広場何かには水場が有ったりする。
ただ、そう言った場所も基本共同での使用で、各家々に水道が通ってるって事は無い。
まぁ、明かりや熱源に関しちゃ、古代遺跡の機能を使ってるってのも有るけど、各家庭にあるコンロや湯沸かし器的な物に関しちゃ、マトスンとドワーフ達の発明でもあるから、俺の手柄ってぇ訳でもない。
コンロの魔力を炎に変換する魔法陣に関しちゃ、あれだって、今まで魔法を研究してた魔術師達の研究結果であり、成果でもある。それを個人宅のコンロとして使える様にしたのはドワーフ達だし。
魔法陣のネックは魔力の供給源で、これ、いちいち魔法使いが魔力を供給しなくちゃ使えないってぇ代物だったんだけど、まぁ、得意の属性でない魔法の魔法陣だったら、少しは役に立つのかもしれないけど、それだったら普通にその属性が得意な魔法使いなり魔術師を探した方が良いだろうからな。
そもそも、現存する魔法陣の数がそれほど多くない上に、研究されてる魔法陣は、大概、魔術師の所にあるからな。
それは兎も角、その魔力の供給に関しては、古代遺跡からのそれを各家に出来る様にしたんで、各家々でコンロやら湯沸かし器が使える訳だ。
これにしても、システム的な物を構築したのファティマとジャンヌだから、俺の功績とか言うのは烏滸がましいだろうさね。
そう言う意味では他の街との差別化はしているとも言えるってか、大森林内にある隣国との交通の要所って時点で、結構特別ではあるんだけんども。
ただ、それら全てを狙ってやってたなら『俺凄い』とか言って……いや、どちらかと言えば『計画通り(ニヤァ)』の方がしっくりくるか? きても嫌だけんどもさ。
それは兎も角、それらが殆ど別の目的があっての副産物だったりする事が多くて、胸を張って、俺の功績とも言い辛いのがね。
もっとも、だからと言って、俺の黄金象とか許可せんよ? いや、本当に。




