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多分2m越えのマッチョならこう成らなかった

 遅くなりました。

 申し訳ない。

 冒険者ってぇ人種は、腕っぷし一つで成り上がる関係上、その戦闘力(ちから)の優劣にこだわる傾向にあるのは確かなんだがね。

 それでもこれまでは、商人なんかの護衛でこの領地に来る以上、最低限の礼節って物を弁えているパーティーが多かった。


 けれど、古代遺跡(ダンジョン)の探索のお仕事で来る連中ってのは、そう言った最低限の礼節よりも、原始的な本能に忠実な輩の方が多かったりする訳で。

 もっとも、この領地が有名になった時点で、単純に大森林内の採取依頼で来る冒険者ってぇ連中が増えた時点で、その傾向は有ったんだけんども、それが加速した感じかね。


 まぁ、何が言いたいかと言えば、単純な暴力事件じみた騒動が増えたってぇ事な訳だ。猿山のサルかな?


 それでも巡回する警備の人間を増やしているんで、それ程住民にまで被害が増えて居ないのが不幸中の幸いなんよな。


 前まではテモ・ハッパーボってぇ絶対の強者が居た事で、それなりの秩序が形成されていたんだろう。あんな魔族でも、居て役に立ってたんやね。まぁ、確かに家の騎士団も稽古をつけて貰ったりしていたんだけんどもさ。ただ、彼奴は自身の欲望の方に忠実な魔族でもある。戦いの高揚と戦闘意欲の向上ってぇ感情にまつわる【オド】を喰らう為に、魔人族国の国を真っ二つにした内戦を画策し、その為の方策の実行をする事に躊躇が無かった事を忘れちゃいけない。


 あくまで、彼奴がこちらサイドに好意的に見えるのは、()と言う生餌が存在してるからだし、もし、俺との実力とつり合い、その上で最高の闘争が出来そうであれば、その為に犠牲が出る事が有ったとしても、むしろ喜んでそれを許容するだろう。


 俺と、バフォメットの間柄ってのはそう言う関係だって事を忘れたらいけんのよね。

 つまり、『何時から味方だと勘違いしていた?』とか言われかねない間柄ってぇ事だな。


 それは置いておいて、現状、家の街に、あまり柄の宜しくない連中も増えて来てるってぇ話。警備をしている兵士の数は現状、悔しいが足りている。文官が欲しいんや文官が!!

 でも、何でか騎士や兵士志望の方が多いんよね。何でか。そのお陰で巡回警備の兵士の数が足りてるのは皮肉なんだがさ。


 それでも、こうして時折、俺の方から冒険者ギルドを訪ねる事で、新入りが妙な気を起こさない様にしてる訳なんだが……


「おう、お前が領主だって言ってる小僧……小僧、か? 何て言うか、本当にちびっ子なんだな?」

「腕っぷしで貴族に成ったんだろう? つまりこのちびっ子をぶっ飛ばせば、次は俺がここの領主ってぇ事か……てか、お嬢ちゃんじゃないよな?」


 こう言う阿呆が湧く事も有るってぇ事な訳だ。これ、完全に、俺の容姿が貫録無いからだよな?

 うん、理解は出来る、理解は出来るんだが……納得いかねぇ……

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