信仰はさせない所での妥協案
昨日に引き続き、あまり執筆の時間が取れず、遅くなりました。
色々と申し訳なく思います。
よし、ちょっと落ち着こうか。え? 何? 神聖トール・オーサキ教会て。
普通に考えれば光教会の建物を建てるとか闘神の教会を建てるとか、そう言う方向じゃないんか!!
まぁ、それ以外の宗教でも良いけど、魔人族国の国教が、確か光教会だったよね? 百歩譲って、そう言った理由でこの街に光教会を建てようってのなら分かる。
それに、この街が闘神に護られてるって噂があるから、闘神の教会を建てようってのも、まだ分かる。
何せ、本人も聖人タイプの自動人形。教会を建てたいとか思ってても不自然じゃあ無かろう。
けど、魔人族国に俺を讃える教会を創るってのは、ちょっと意味が分からないんじゃが!?
それが創られて、誰も信者が居なかったりしたら、精神的ダメージが半端ないってのはまぁ、置いておいても、そんな宗教の本尊じみたものにされるのも、まっぴら御免だわ。
「ちょっと、個人情報が特定出来る名称や内容は困ります」
『【驚愕】では、どう個体名【トール】様を讃えろと!!』
讃えんで宜しいがな。
そもそも、そんなものが表立って活動されても、かなり困るし。
いや、チラッと獣人の王国の某侍女さんだとか、その国の某宰相さんだとか、あと、聖王国の某父王さんだとか、一寸頭をよぎったあの人達の反応を考えるに、俺を讃える宗教なんざ起ち上げても、成立しないたろうと言う、楽天的考えが通用しなさそうと思える部分もあるんよね。
実際、否定してすら『分かってます』的な対応しておいて、結局やる事が変わらんと言うね。ホント、何だろうと思わんでもない。
その辺は本人達が納得できるかどうかだってぇ事は確かだし、そう言った部分も含めて何だろうが、なら、こっちに忖度してますってぇ態度もどうなんだろうと思うんだわ。あんまり、こっちの意思とかけ離れる様なら実力行使するけどな。その辺り、曖昧のままにはせんよ? 俺は。
まぁ、あまり表立っての名前が売れるのは困るってか鬱陶しい事に成ると思ってる俺と、世に俺の名前を広めたいらしい聖弓との間の攻防がしばらくの間続いた訳だが、結局半公式に俺のファンクラブ的な何かが作られる事で妥協する事に成った。
『【納得】Yes fan play.No touch! と言う訳ですわね!!』
「色々と勘違いがある様だけど、それで問題ないとは思う」
兎に角、俺にあまり係わりを持たないってぇ状況で、ただし、聖弓が率先しての活動においては、俺の名前を使っても構わない的な。
その代わり、俺自身の威光的な物は期待するなよってか使わせんからなと言う。
まぁ、ファンクラブだよな。
まさか、異世界に転生してファンクラブが出来るとか思わなんだわ。まぁ、良いけど、そんな秘密クラブじみた感じで、人が集まるのかとか思うし、集まっても困惑できる自信がある。だって俺だぜ?
まぁ、会の活動自体には、俺は係り合いに成らんのだから、その範囲内では好きにやってくれて構わないとは思うんよね。
『【確認】どうしても指示を仰ぎたい場合、聖斧に連絡を取らせていただきますので……』
「まぁ、それ位は必要だよな」
俺の名前自体は使える訳だから、確認が必要な事態ってのは当然できるだろうさね。
嫌にウッキウキな聖弓の姿に一抹の不安は有るが、まぁ、それでお礼の代わりに成るなら構わんか。
……大丈夫だよな?




