一先ず決着
色々考えが纏まらず、今回はここまでしか書けませんでした。
遅くなった上に、短くて申し訳ない。
『【確認】では、【結界】を張らせていただきますわね?』
「ん、よろ」
執務室で、こっちに確認する聖弓に、俺は頷く。邪神の襲撃から既に数日経っている訳だが、俺は聖弓に【結界】を張って貰う事にしていた。
依頼自体は、その日の内にして置いて居たのだが、聖弓がウチの領に来るのに時間が掛かったからなぁ。何せ隣国だし、これでも早い方だわ。
因みに今回、エリスはお留守番ってか、普通に女王様のお仕事をさせる為に、椅子に括り付けれられてる、らしい。
まぁ、さもありなん。
それはそれとして、それでも【結界】を張って貰ってるのは、空間の歪み自体は、既に無く成っては居るだろうが、それでも、ここの空間座標的な物は特定されてるだろうし、直接は来られない様にしておきたいからなんだわ。
あの日、俺達は空間を割って、俺の“腕”をパージする事で、邪神をヤツの次元へと追放した。ただ、俺達の内、誰も空間に適性がある者なんざ居なかったんで、割った空間に関しては、空間自体の自然回復に任せる事しか出来なかったんよね。確かに俺も空間そのものに干渉は出来るんだが、空間の歪みを直したりってぇ真似が出来るって訳じゃ無い。精々、逆にひん曲げて、割れた空間をごく小さく塞ぐ事が出来るって感じ?
何て言うか、アルミホイルに出来た穴を強引につまんで捩じって小さくしてるって様な。
そんな不完全な感じで塞ごうとするってぇ程度の話。
それでも、邪神が出て来なかったのは、俺の“腕”分の【プラーナオリジン】で満足したからなのか、それとも、“腕”の侵食が進んでなかったんで動けなかったからなのか。
果たして、その回答は『神のみぞ知る』訳だが。
そもそも、邪神が【プラーナオリジン】を狙った理由も判明して居ないんだがね。
まぁ、予想は立てられるが、それだってただの推論に過ぎんからなぁ。
要は、この次元世界に介入出来るだけのエネルギーを欲したからって事。それなら、いつもの様に【オド】を狙えよってぇ思うかもしれんが、【プラーナ】ってのは、あらゆるエネルギーをこの世界に引っ張り出す時の触媒と成るエネルギーな訳だ。ソレの根源足る【プラーナオリジン】なら、その触媒としての可能性は倍率ドンって感じな訳だな。
もっとも、それ持ってる俺は、引き出す為の回路が俺の中に構築されてない挙句に、自分での構築難易度が高すぎて断念したから、【プラーナ】を【プラーナ】としてしか活用できていない訳だが。
とは言え、これも俺が『そうじゃないかなぁ』と思ってる程度の事なんで、正しいかどうかも分からんのだがね。




