キレちまったぜ、久しぶりによう
今回はここまでで限界でした。
遅くなった挙句、短くて申し訳ない。
最初に崩れたのはイブだった。当たり前だ、総保有魔力量や魔力の放出量こそ、人のソレを超えた物だったとしても、その身体は、普通の少女でしかないんだから。
邪神と言う人知を超えたモノのプレッシャーに、僅かな時間とは言え抗って見せた事自体が、奇跡の様な物だ。
「トール、様!! 護る!!!!」
だが、膝をついたその上で、更に【魔法障壁】を維持し続けるイブ。彼女の顔は青色を通り越して、蝋細工の様な血の気の失せたものと成り、しかし逆に目は真っ赤に充血し、血涙すら溢れそうに成っている。
「むぅっ」
それに気が付いたラミアーが、イブの方の【念動障壁】に力を注ぐ。だが、そうなれば、邪神に対する攻撃が薄くなるのは当然の事で、邪神の方の攻撃ってか圧力が強くなった。
てか、何、俺の家族に血ぃ流させてんだ!! この腐れ邪神!!!!
あぁ!! 面倒臭せぇ!!!! もうこれ、制御とかって言ってる場合じゃ無いだろう!! もう、限界だ、これ以上、身内に怪我とかさせられるかぁ!!!!
結局の所、扱う力が大きすぎるから制御が難しく成るんだ! だったら、最初から制御できる量でやりゃぁ良い!!
俺はおもむろに、制御可能な分量の【プラーナオリジン】だけを残して、その他を解放する。
流石に、目的が俺の【プラーナオリジン】なだけあって、邪神の方は、俺が何をしたのか瞬時に把握したらしい。
俺の方を見たかと思えば、その圧力を強めた。
「ふぅ、うぐぅ」
そうなれば、当然、既に弱って来て居るイブなんかはたまった物じゃぁ無い。
けどさ、ソレ、俺の逆鱗だから。
俺は制御可能な【プラーナオリジン】を片腕に纏わせ、その濃密なエネルギーをさらに集中させる。そして出来上がるのが、固体にまで凝縮された【プラーナオリジン】で構成された“腕”。
「取り敢えず、死んどけ?」
言うが早いか、俺はその腕で、邪神ごと、その背後にある空間の歪みを殴りつけた。




