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邪神には、勝てなかったよ……

 遅くなりました。

 申し訳ない。

 【闘神化】の正体、と言う程の物じゃないが、アレは極限まで突き詰めた【プラーナオリジン】の結晶化現象とでも言うべき物で、俺と言う存在を核とした凝縮された根源的な【プラーナ】な訳だ。


 極限まで突き詰めたと言う事は、()()()()()()()()()()と言う事。本来ならそう言う意味であるんだが、俺の周囲の奴らは、()()()()を目指せと突き付けてくる言う、かーなーりー、厳しい要求をしてきやがる。

 もっとも、現状、全てを丸く治める為には、その程度、やらなくちゃいけないって事でもあるんだがね。


「も、もう、無理ぃニャぁ」

「ううぉい!! もうちょっと、頑張ってくれぇい!!」


 まだこっちは、ようやっと準備が出来たってぇ所なんだぞ!! こっから凝縮しないと、そのまま【闘神化】しちまって、少なくとも、この屋敷が吹っ飛んじまう!!


 とは言え、バストが抑えられなくなって、邪神が気まぐれに力の一端でも示せば、それはそれで大事故に成っちまうだろうから、その時は躊躇とかして居られないだろうけど!!


 そう成ったら、邪神の力で周囲を吹っ飛ばすか、俺の力で吹っ飛ばすかってぇ違いしかなく、つまりは、生き残ってるのが俺か邪神かって事になっちまう訳だ。だったら、俺が生き残らないと、邪神をそのまま開放する事に成りかねないってぇ事に成る。


 邪神を解放なんて事に成ったら、最低でも、この領地は、全てが邪神の贄として吸収され、風化した土くれ以外残らない荒野に成っちまうだろうよ!!

 そう言えば、【邪竜】が封印されていた場所も風化した荒野じみた所だったっけか。

 性質としてはほぼ同様な邪神と【邪竜】。

 だとすれば、そのまま開放されちまえば、あの場所と俺の領地が同じ様な事に成りかねないってぇ事で。そう成った時、どれ程の犠牲者が出るか想像も出来ない。


 ラミアーの【念動障壁(サイコバリア―)】が有るから、人的被害は最低限で済む、かも知れない。が、想定以上の被害が出るかもしれない。それは、邪神の力の一端すら把握できていない状態では、予測すらできない。ただ、常に最悪の状況ってヤツを想像して動かなきゃ、対応の覚悟も出来ない。だからこそ、最悪の状況に成った場合を想定してでの行動をとるしかない。


「ダ、メ、ニャ」


 言うが早いか、プツリと糸が切れた様に、バストが弛緩し白目を剥いて崩れ落ちる。


「って、限界から落ちるの早すぎいぃ!!!!」


 と、邪神からの圧力がブワリと膨れ上がる。どっちの感情の方に傾いているかは分からない。だが、邪神的には『ちょっと興味が湧いた』ってぇ程度の感情の変化なんだろう。

 だが、それだけで、空間の軋みが大きくなった。

 こっちにも、思わず膝を付きそうな程のプレッシャーが伸し掛かって来た。ミカ達も【プラーナ】を循環させているのか、何とか圧力に耐えては居る様だが、しかし、そこから動く事自体が難しそうだ。それでも、その瞳には闘志が宿っているのを感じる。

 さっきより眉間の皺が深くなったラミアーも同じだし、セフィも、触手で邪神に対して圧力をかけ返している。

 ただ、どちらにも余裕がある様には感じられない。


 クソッ、もう、このまま【闘神化】をするしかないのか!? ただ、そうすると、至近距離にいるイブや(ミカ)達、ラミアーやセフィにも、ダメージが及ぶだろう。

 だが、これ以上は……


 そう思って居ると、邪神からの圧力が不意に弱まった。


「トール、様、護、る!!」


 その声に彼女の方を見れば、イブが、邪神の周囲に渾身の魔力(ちから)を込めて【魔法障壁(マジックバリア―)】を張った所だった。

 脂汗を流し、歯を食いしばって、邪神のプレッシャーに抵抗しながら。だ。

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